夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさんの香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラム。
海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!
【第23回】企業案件に欠かせない「あるもの」とは?

香港でお仕事をしていくコツ、続きます。
前回記事はコチラ!


前回、香港人の個人レッスンはSNSをきっかけに仕事につながったものの、企業や施設から正式にお仕事を受けるには、SNSだけではOKにならなかった、というお話をしました。
そして、オファーをいただくたびに確認された「あるもの」。
答えは、
自分のホームページ
これが最終決裁でOKになるには必要だったんです。
なぜ、必要だったのか?
香港でホームページに必要な情報について正確な決まりはわかりませんが、私が載せていたのは、
- 屋号、名前
- 自己紹介
- レッスン内容
- 連絡先
- 問い合わせフォーム
という、とてもシンプルなもの。
ですが、香港の企業から私のホームページに関して、「この内容が足りない」「もっとこんな情報を出してください」などと追加で質問されたことはありません。
なので、特別に立派なものではなく、基本的な情報を掲載したホームページを持っていることが大切なのではないかと思います。
私はSNS発信をする前からホームページを持っていたので、その重要性に気づいていませんでした。
でも、企業や施設との仕事で「ホームページはありますか?」と確認されるたびに、「ホームページって、こんなに重要だったんだ!」と気づいていきました。
ホームページは「ネット上の家のようなもの」、という話を日本では聞いたことがあります。
それと同じように香港でも、ホームページが香港で活動していくための「家」。
ない人は、「信頼ナシ」と思われてしまうのかもしれませんね。
そしてこのホームページ、なんとこんなところでも必要でした。


香港で活動していくための「家」のようなもの
私のレッスンを受講した香港人の生徒さんから、「会社に申請するので、ホームページを教えてください」と言われたことが幾度となくあったんです。
えっ?会社に申請する?って、どういうこと?
実は香港では、社員の福利厚生の一環として、仕事以外の人生を豊かにするための「学び」にかかる費用を、会社が支援してくれる制度を設けている企業があります。
年間でいくらまで、いつまでに使う、といった規定があるようですが、筆文字アートをはじめヨガやダンス、料理や語学など、いろいろなものが対象になるそうです。
もちろんすべての会社ではありませんが、受講生さんが会社へ申請する際に、領収書だけではなく受講したレッスンがどんなものなのかを確認するために、ホームページも必要だったんです。



「へぇ~、ホームページって、こんなところでも必要なんだ!」と、これも香港で仕事をして初めて知ったことでした。
ということで、香港でお仕事を提供される方は、ぜひ、ホームページを持っておくことをおすすめします。
子どもたちに教える仕事では、さらにもう一つ
学校などの教育施設で子どもたちを対象にレッスンやワークショップをする場合には、さらに確認されるものがありました。
こちらは、名前だけ聞くとビックリされる方も多いかもしれません。
(私も最初は「えっ!」と思いました。)
それは、Sexual Conviction Record Check(SCRC/性犯罪歴の確認)です。



はい、もちろん、あるわけありません!
でも、「ありません!」と自分で言うだけではダメなんですよね(笑)。
香港には、子どもと接する仕事などをする際に、性犯罪の有罪判決記録について確認するための仕組みがあります。
私も学校から「SCRCを持っていますか?」と聞かれて、初めてこの制度を知りました。
そして、「開催当日までには用意してください」と言われ、「えっ!持ってない!」と、慌てて申請することになったんです。
個人事業主としてSCRCを申請する際のひと工夫
SCRCを申請する際には、雇用主からの証明書が必要となります。
私の場合、どこか一つの学校に雇われて働くわけではありません。
個人で仕事をしていて、いろいろな学校や施設からオファーをいただき、レッスンやワークショップに行く、という働き方です。
その為一つの雇用主に限定してしまうと、他の学校や施設からオファーをいただいたときに活用することができません。
そこで私が2025年に申請した際には、自分を雇用主として申請しました。
ただ、私は会社ではなく個人事業主。自分がどのような活動をしているのかを説明し、確認してもらう必要があったため、OKをもらうまでに少し時間がかかりました。
それでも一度取得しておけば、確認用のコードを依頼主に伝えることで、依頼主側から確認してもらうことができます。
香港でお仕事を受ける時の心構え
香港で仕事を進めていくには、いろいろなルールや決まりがあります。
私が経験したのは、ほんの一部。業界が違えばさらにいろんなことが起こると思います。
一番大事なのは、「日本ではこうだから、香港でもこうなるだろう」という思い込みを持たないこと、でしょうか。
とはいえ、経験がないことには想像することすらできません。
私もそうでしたが、実際に仕事をしながら一つずつ知っていき、そのたびにブラッシュアップしていく。
そんな柔軟な姿勢でいることが、香港に限らず、海外で仕事を円滑に進めていくコツなのではないでしょうか。
次回は、香港の企業や施設からオファーをいただいた後、実際にどんなふうに仕事が進んでいくのか?
実際のやりとりも、企業によっていろいろ。そんなお話をしていきたいと思います。



次回もお楽しみに!
まとめ
- オファーの度にホームページの有無を尋ねられる
- 基本情報だけのHPでも信頼性の証明になる
- 福利厚生申請で生徒側からHP提出が必要
- 子ども向けレッスンはSCRCの確認が必須
- 個人事業主は自分を雇用主としてSCRC申請
- 香港では思い込みを捨て柔軟に対応することが重要
筆者プロフィール
中川麻紀子
東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。
- 縁Joyアート® 代表
- きらめく漢字アート海外認定校 代表
- 友禅和紙クラフトインストラクター
- 切り紙パステルアート®インストラクター
- ワインソムリエ
- チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
- 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)
Instagram : @studiomk85













