夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさんの香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラム。
海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!
【第25回】オファーが来たけど……当日のイメージがつかめない?!

『香港でお仕事をしていくコツ』のお話、続きます。
前回は、「オファーメッセージを受け取る」一番初めのところを、お話しました。
前回記事はコチラ!


オファーをいただいたら、次は見積もりがほしい、という依頼です。
誰もかれもがせっかちな香港ですので、もちろん、見積もりも「パパっと出して!」と言われます。
ところが、当時の私は、筆文字講師としての経験も浅く、オファーが来るたびに、すべてが初めての経験。
「どうやってやる?」「どう進める?」「で、いくらにする?」頭の中は、???だらけ。
つまり、「当日の絵」がまったく見えていなかったのです。
わからないからこそ、動くことにした
そこで私がやったのは、現場を見に行くこと。
「なるはや」で現地へ行き、オファーをくださった担当者と直接会って、話をすることにしました。
- 商業施設でのプロモーションの場合
それまでに何度か足を運んだことがある場所でも、仕事を意識して見ることはないものです。 だからこそ、改めて足を運び、会場、お客様の流れ、自分が書く場所を実際に見て、当日をイメージします。
そして担当者と直接会うことで、私の英語レベルがつたないことも、しっかりバレる。 でも同時に、そのつたない英語でも、一生懸命コミュニケーションを取ろうとしていることもわかってもらえます。
家に帰ったら、ハガキ1枚を書く時間を測り、「この時間なら何人対応できる?」を計算。さらに、画材を実際にレイアウトして、見え方や準備にかかる時間まで確認しました。 - 学校などでのワークショップの場合
たいていMTR(香港の地下鉄)の駅から離れた場所が多いです。なんなら、駅からさらにバスを乗り継ぐ、ちょっと不便な場所も多々あります。
毎回、初めて行く街、初めて行く場所ばかり。だからこそ、不便な場所でも実際に現地へ行き、街の匂いや雰囲気を感じるようにしています。 担当者と話し、スタッフさんや会場を利用している方の雰囲気を見る。
さらに、会場の広さ、机やイス、備品、レイアウトまで確認します。実際に自分が教える場所に立って、「ここから私が教えるなら?」と、想像(妄想レベル?!)を最大限に広げて、イメージを膨らませていきます。
モールで実施する場合と同様に、家に帰ったら当日の段取りを書き出し、時間を測り、リハーサルまでやってみる。
リハーサルで初めて気づいた必要なものや「わからないこと」を書き出し、事前に担当者に確認します。これで、見積もりの精度がぐっと上がります。
下見とリハーサルも伴うので「実際の仕事量と見積もりの誤差」も極力抑えることができました。



あれ? これってデジャヴ?!
このような準備は、筆文字講師としては経験が浅かったからこそ、意識してやってきたものですが、振り返ってみると、実はどれも過去の経験から紐づかれたものでした。
過去の経験がアクションを導いてくれた!
- まず現地へ行く。担当者と直接会う。
→ 法人営業で、散々やってきてた!
今となっては考えられないけれど、当時の上司からは、「営業は足を使え。名刺を100枚、同じ担当者に置いてこい。それで関係を作ってこい」と言われていた時代でした。 - イベント全体の流れを組み立てて、段取りする。
→ チーズイベントを何回も主催して、リハーサルを重ねてました。 - 会場の広さ、レイアウト、設備、人の動きを見る。
→ 思い返すと、サラリーマン時代、大人数の会議室を手配する担当になったことがありました。 - やらなきゃいけないことを全部やって、時間内に収める。
→ ワインやチーズの講師の時、講義の進み具合を時計も見ながら、時間配分してた! - 相手を見て、「どうしたら喜んでもらえる?」を考える。
→ 販売や飲食の接客の時は、この心がけが一番大事だと実感した思い出ばかり。
すべての経験が今に通じる
「私には筆文字講師の経験が少ない」「香港での仕事経験が少ない」という不安から、毎回毎回、新しいパターンのオファーが来るたびに、「どうすればいい?」と必死に考えていました。
上記に例を挙げたように、私に解決のヒントをくれたのは、それまでに積み重ねてきたいろいろな仕事の経験でした。 今までバラバラだと思っていた一つひとつの経験の点が、香港で仕事を進める中で、一本の線につながっていったのです。
初めてのお仕事は、いつも五里霧中ですが「正しく恐れ、正しく準備する」ことが大切だということ。それを、私なりに過去の経験から学んでいたのでしょう。
そして、どんな経験も無駄にならない。次への土台になるのだと自信がつきました。
イベントの成否を握る、深堀りポイントを発見!
そんなことを繰り返していくうちに、オファーの文章をいただいただけで、「当日の絵」がすぐに見えるようになっていきました。
そして、担当者と直接会って話をし、実際に現地を見たからこそ、気づけたこと、より深く理解できたことが、もう一つあったんです。
実はこれが、とても重要。
この「あること」が見えてくると、実際に自分がそこで何をすればいいのか、「当日の絵」がさらにぐんと明確になっていきました。
また次回、続きます。



お楽しみに!
まとめ
- 現地へ行き担当者と直接会う
- 会場や人の流れを観察し当日を想像
- 家で時間測定・リハーサルを実施
- 不便な場所でも街の雰囲気を体感
- 過去の経験が準備のヒントに繋がる
- 経験の点が線となり自信へ変化
筆者プロフィール
中川麻紀子
東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。
- 縁Joyアート® 代表
- きらめく漢字アート海外認定校 代表
- 友禅和紙クラフトインストラクター
- 切り紙パステルアート®インストラクター
- ワインソムリエ
- チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
- 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)
Instagram : @studiomk85







