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【第27回】香港で、自分の価値を仕事にする—マキコの実録コラム

夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさんの香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラム。
海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!

目次

【第27回】オファーをもらって気づいた、私に求められていたもの

香港でお仕事をしていくコツ、のお話、続いています。

前回記事はコチラ!


前回は、担当者さんと現地で話したことで気づいた、「なんのために、筆文字アートをオファーしたのか?」というお話でした。

そこでさらに、気づいたこと。

そもそも、なぜ私にオファーをしたんだろう?

その答えの一つは、思い切りシンプルに表現すると、

私が日本人だから。

そうなんです。私にオファーをいただく場合、「日本人が日本のコンテンツを提供する」ということを求められていることが多かったんです。

外国語をネイティブの方から学びたいと思うのと同じように、日本のカルチャーは日本人から学びたいと感じるようです。

香港で筆文字アートを教える、ということしか考えていなかった私にとって、この考え方は全くの想定外でした。

香港のみなさんは日本が大好き!

私の体感では、「香港人、ほぼみんな日本好きだよね、きっと!」と思ってしまうくらい、日本に対して好感を持っていると思います。
香港にいると、生徒さんでない香港人の方からも、「あなた、日本人なの? 私、日本大好きよ!」と話しかけられること、数知れず。

日本への旅行はもちろん、日本製品、文房具、そして、日本の食材や食べ物も大好き。
日本のアニメ、ドラマ、俳優さんから、アイドルに至るまで、みんな大好き。
日本的なもの、日本を感じられるものは、香港の街にたくさんあふれています。

香港に来てから、抹茶くらいでは全然驚くことはなくなりました。北海道でしか買えないお土産の定番、「白い恋人」やロイズのチョコが、香港では気軽に手に入るお菓子になっています。
日本的な要素がまったくない香港の商品なのに、広告には〝ありがとう″などの日本語が使われている、なんてことも。

「日本人と交流したい」「日本人と友達になりたい」という香港人も、本当に多いんです!

レッスンの問い合わせだったはずが、
話しているうちに、「日本のどこに住んでいたの?」「日本のことを教えて!」「あなたが私の初めての日本人でうれしい」なんていう会話に変わっていくことも、よくありました。

つまり、筆文字アートだけではなく、「日本人の私と交流する」ということ自体を、喜んでもらえることもあったんです。

日本とのつながりを期待される場面

仕事でも、「日本的な要素を入れてほしい」というリクエストをよくいただきました。
桜や富士山がデザインされたハガキ、御朱印風のノート、うちわや扇子などなどがそれにあたります。

逆に、私から日本的な要素を提案することもありました。
その時に意識したのは、香港ですでに普通に流通しているものではなく、「香港ではあまり流通していない、日本らしいもの」。
そこで、友禅和紙を使ったり、色紙(サイン用に使う方です)を使ったりしました。

ちなみに、私が日本から色紙を取り寄せて使い始めた頃は、香港ではほとんど手に入りませんでした。
それが4、5年後には、香港のお店でも普通に買えるように!
「きっと私の影響で問い合わせが増えたに違いない」と、勝手に思って、ニマニマしています。
実際のところはわかりません。でも、そう思わせておいてください。

でも、こんな現象に、私にオファーが来る理由が感じられるんです。つまり、私の提案を通して、思いもよらなかった「日本らしいもの」を発見する新しさがあるのではないでしょうか。

香港で「日本らしさ」をより意識するようになった

そんな風に香港で仕事をしているうちに、私にも大きな変化が。
デモンストレーションやワークショップの時に、「日本らしさ」をどう感じてもらう? 日本人ということをどう見せていく? を考えて行動するようになりました。

「今日は日本人の講師から日本のこんなことを教わった!」とか、「香港にいながらにして、日本を身近に感じられてうれしい!」と喜んでもらえるような工夫を加えていくんです。

ワークショップの説明で日本語をところどころに使ったりするのはもちろんのこと、デザインに日本の伝統的な柄やデザインを使ったり。浴衣を着たり、和柄のスカーフやつまみ細工の髪飾り、指輪などを取り入れたりすることもありました。

香港で求められる「日本らしさ」に応える

もちろん、間違った日本のイメージをリクエストされた場合は、ちゃんと修正します。

でも、香港に来てから、日本に住んでいた時以上に、「日本人としてふるまうって、どういうこと?」「日本人が日本らしさを見せるってどういうこと?」と考えるようになりました。
そして、日本の文化について、改めて学ぶ時間も作るようになり、ちゃんと説明できるようになったんです。
香港で日本人としての知識・バックグラウンドを求められたことで、「恥ずかしくない日本人であろう」という意識を強く持てるようになりました。

さて。
オファーをいただき、現地を見て、当日のイメージを作る。
「なんのためにやるのか?」も、「なぜ私に頼んだのか?」も見えてきた。
ようやく、必要な要素がそろいました。

次回、いよいよ見積もりを出して、そこからのお話に戻ります。

まとめ

  • 日本人であること自体がオファー理由
  • 香港では日本文化への好感が強い
  • 日本的要素を求めるリクエストが多い
  • 日本らしい提案が新鮮さを生む
  • 日本人としてのふるまいを意識する変化
  • 恥ずかしくない日本人であろうと学び直す

次回は、2026年11月6日公開予定です!

筆者プロフィール

中川麻紀子

東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。

  • 縁Joyアート® 代表
  • きらめく漢字アート海外認定校 代表
  • 友禅和紙クラフトインストラクター
  • 切り紙パステルアート®インストラクター
  • ワインソムリエ
  • チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
  • 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)

Instagram :  @studiomk85


香港では、ワーキングビザを取得した家族がスポンサーとなって「配偶者ビザ」を取得した人は、現地での労働が可能です。ただし、駐在員を派遣する企業によっては帯同家族の就労について取り決めがある場合もあります。当コラムを参考にされる場合は、ご注意ください。

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この記事を書いた人

香港在住4年。プリンに乗ってるカラメルが好き♪

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