【第23回】香港のメンタルヘルス悪化が深刻化 自殺率は日本に迫る水準に
メンタルヘルス危機
香港で市民のメンタルヘルス悪化が深刻さを増しています。最新の調査では、抑うつと不安の指標がいずれも過去最高水準に達し、特に若年層で深刻な傾向が確認されました。
香港精神衛生会と香港中文大学社会工作学部による調査では、2,695人を対象に聞き取りとオンライン調査を実施した結果、平均抑うつスコアは7.27となり、2023年調査から0.9ポイント上昇しました。これは2012年の調査開始以来で最も高い水準であり、中等度から重度の抑うつ群の割合も13.1%と、前回調査を上回りました。


若者世代への影響
不安の指標も悪化しています。調査では平均不安スコアが5.9となり、こちらも過去最高を更新したと報告されています。
なかでも目立つのが若者世代への影響です。18歳から24歳の「Z世代」では、43.5%が中等度から重度の抑うつ状態にあるとされ、全世代の中で最も高い水準でした。
スクリーン依存とAI利用の影響
背景には複数の要因があるとみられています。報道では、携帯の画面などの電子スクリーンの使用時間が長いほど抑うつスコアが高まる相関が示されたほか、悩みを抱えた際に人工知能(AI)に助けを求める人も増えているとされています。調査では、およそ5人に1人が感情面の悩みについてAIを頼った経験があると答えており、専門家はAIへの過度な依存が適切な支援へのアクセスを遅らせる可能性があると指摘しています。

支援体制の逼迫と自殺率の上昇
さらに、香港では支援体制の逼迫も課題となっています。報道によると、病院当局の非緊急精神科外来では新規患者の待機期間中央値が30〜76週間に及び、一部では101週間に達しています。
香港大学自殺研究・予防センターのデータでも、2024年の自殺率は人口10万人当たり14.1人、同年の日本の10万人当たり16.3人に迫る数字となり増加傾向です。

こうした状況を受け、香港ではメンタルヘルスを個人の問題としてだけでなく、社会全体の持続性や経済活動にも関わる重要課題として捉えるべきだという声が強まってます。
Mr. イワミ「気のせい」と軽視せず、家族のケア&セルフチェックを心がけましょう!
まとめ
- 香港で抑うつ・不安が過去最高水準
- 若年層Z世代で抑うつ率43.5%
- 電子スクリーン使用と抑うつに相関
- AI依存が支援アクセス遅延の懸念
- 精神科外来待機が最大101週間
- 自殺率14.1で日本に迫る水準
<著者プロフィール>
Mr. イワミ
香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとしてリスクを未然に防ぎ安全を守る仕事をしています。
仕事の合間には街を歩いて香港の環境と状況を観察するのが楽しいです。















