【第27回】その「油断」が会社を壊す―香港のオフィスに潜むセキュリティの盲点
香港の「スピード」に潜む脆弱性
ビジネスの展開も人の入れ替わりも早い香港。そのスピード感の裏で、セキュリティ管理が後回しになってはいませんか?「大手ビルだから」「信頼できるスタッフだから」という油断こそが最大の弱点です。今回は、法人が陥りがちな3つの盲点を解説します。
盲点その1:離職・異動に伴うアクセス管理
ジョブホッピングが一般的な香港で、スタッフが去った後の管理は完璧でしょうか。
暗証番号の形骸化
退職者が出た後も同じ番号を使い続けていませんか?
物理的な鍵の回収だけでなく、デジタル権限を即座に抹消するフローが不可欠です。
「元・身内」への甘さ
不正アクセスの多くは内部事情を知る者によるものです。感情論を排除し、システムとして遮断する仕組み作りが求められます。

盲点その2:オフィス移転と「出口管理」
移転の多い香港では、去り際の管理にこそプロの目が問われます。
廃棄機器のデータ
コピー機やPCを廃棄・返却する際、ハードディスク内の消去を確認していますか?
什器と備品
引っ越しの混乱に乗じた書類の放置や、社名入り備品の流出は、なりすまし犯罪を招く恐れがあります。
盲点その3:DX化による「無人化」の死角
受付無人化やスマートロック導入は、使い方を誤ると新たな穴を生みます。
受付の死角
受付がタブレットのみのオフィスでは、配送業者を装えば容易に執務スペースへ侵入できてしまう構造になっていないでしょうか。
境界線の不在
客用の会議室と、重要書類がある執務エリアが物理的に区切られているか。この「境界」の有無がリスクヘッジの肝となります。

セキュリティは「コスト」ではなく「投資」
情報漏洩や盗難は、金銭被害以上に企業の社会的信用を失墜させます。
専門家の目で見れば、毎日通うオフィスにも必ず死角は見つかります。
「守り」を固めることは、スタッフと資産、そして企業の未来を守るための積極的な投資です。
Mr. イワミ変化の激しい香港で勝ち抜くために、今一度自社の足元を見直してみませんか?
まとめ
- 離職後の暗証番号・権限管理不足
- 内部事情を知る元社員の不正リスク
- 移転時の機器廃棄とデータ残存問題
- 引っ越し混乱による書類・備品流出
- 無人受付の侵入リスクと死角構造
- 会議室と執務エリアの境界線欠如
<著者プロフィール>
Mr. イワミ
香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとしてリスクを未然に防ぎ安全を守る仕事をしています。
仕事の合間には街を歩いて香港の環境と状況を観察するのが楽しいです。















