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スチームオーブンレンジの安全性を調査【香港消費者委員会調べ】

目次

市販のスチームオーブン10種類をテスト

飲茶や蒸し魚、香港の食文化には蒸し料理が多くあります。蒸す調理法は健康的で、近年は簡単に蒸し物が作れるスチームオーブンを使う家庭も増えました。香港消費者委員会はEMSD(機械電気サービス署)の協力のもと、市販のスチームオーブン10種類をテストし性能と安全性をチェックして、2025年10月その結果を発表しました。

https://www.consumer.org.hk/tc/article/588-multifunctional-ovens/588-multifunctional-ovens-comparison

サンプルの10種類のうちビルトイン式が5種類、卓上式が5種類です。ビルトイン式の価格は9,800香港ドルから53,000香港ドルで、設置費用は含みません。

日本と比べると香港では様々な国のメーカーの家電製品を目にする機会が多くあります。予算や用途に合わせて、自分にあった製品を選んでみてくださいね。

調査結果

ビルトイン式スチームオーブン(ブランド名/型番/価格/原産地/5段階評価)

  1. Miele/DGC 7440 HC Pro/$53,000/ドイツ/4.5点
  2. Siemens/iQ300 CS589ABS0H/$19,800/中国/4点
  3. Electrolux/KVBAS21WX/$29,800/ポーランド/3.5点
  4. Mia Cucina/GYV34S/$21,800/イタリア/3.5点
  5. German Pool/SGV-5228/$9,800/中国/3.5点

卓上式スチームオーブン(ブランド名/型番/価格/原産地/5段階評価)

  1. Gemini/GSO40/$2,380/中国/4点
  2. Panasonic/NU-SC280W/$4,980/中国/3.5点
  3. Whirlpool/ CS2322B/ $4,990/記載なし/3.5点
  4. Midea/ PS30L22Z/ $5,299/中国/3.5点
  5. Toshiba/ MS5- STR30SC(BK)/ $5,998/中国/3.5点

卓上式の価格は2,380香港ドルから5,998香港ドルです。消費者委員会とEMSDはそれぞれ独立した実験機関にチェックを委託し、EMSDは国際基準に照らしてサンプルの安全性や消費電力を評価しました。審査には静音性、使いやすさ、調理した食品の出来栄えも含まれています。

消費者委員会が発表した評価表はこちら!

安全性:10種類全てのサンプルが合格

構造、温度上昇、絶縁強度、耐熱性、材料の難燃性などの安全性試験において、10種類全てのサンプルが合格水準に達していました。但し6.Gemini、8.Whirlpool、10.Toshibaは説明書に安全に関する警告が不十分でした。

表示と実物の整合性:ほぼ表示出力と一致!

サンプルの出力表示値と実測値を比較し、サンプルの入力電力を国際規格IEC 60335-1に準拠した方法で測定し、表示出力と比較した上で、両者の偏差率を算出しました。その結果、全てのサンプルが国際規格の許容範囲(+5%/-10%)内で、実際の「火力」が表示出力とほぼ一致しました。

しかし3. Electrolux、4. Mia Cucina、8. Whirlpoolは電圧範囲が220V~240Vですが、全体の操作や特定の調理モードでは、電力が1つしか表示されません。電力が高いほど加熱速度は速くなり、それに応じて消費電力も高くなります。機器が特定の電圧範囲に適用され、電力値が1つしか表示されていない場合、消費者が実際の電力を把握することが難しくなるため、消費者委員会は改善を求めています。

技術性能:卓上式のサンプルは性能のばらつき

  • 予熱速度
    • サンプルの予熱時間は3分6秒から5分56秒の範囲でした。一部のサンプルには「ブースト予熱」「急速予熱オプション」が選択でき、これらのオプションを使用することで予熱時間が短縮できます。各サンプルの全体的な性能は良好で、4点以上の評価を得ました。
  • 温度制御性能
    • ビルトイン式のサンプルは全体的に温度制御性能が優れていましたが、卓上式のサンプルは性能のばらつきが大きく、#9.Mideaと#10.Toshibaの温度制御精度はあまりよくありませんでした。

調理試験:生焼け、焦げすぎ、異臭などなし!

調理実験でカップケーキ、スポンジケーキ、トースト、スチームモードでブロッコリー、グリルチキン、メレンゲ、サーモンとミックス野菜の蒸し物、茶わん蒸し、などが試されました。結果、10種類のサンプルは全ての食品を調理でき、生焼け、焦げすぎ、異臭等もありませんでした。ただし庫内における食品の配置場所による調理ムラや、食材の変色があったものは減点しています。

節電レベル

待機時と調理時の消費電力をそれぞれ測定し、節電性を評価しました。

1.Miele、9. Midea、10.Toshibaはワイヤレス接続機能を備えています。待機モードでは、サンプル全体が時刻表示のみでネットワークに接続されていない状態(該当する場合)で、測定された消費電力は0.40Wから1.60Wの範囲でした。

EUの関連電気製品に関する環境設計要件では、時計表示機能付き電気機器の待機電力は0.8Wを超えてはならず、一部のサンプルはこのレベルをわずかに上回りました。

静音性:庫内冷却時の騒音性を計測

本試験では、調理中(強制対流モードの予熱中)と、調理後に内蔵ファンを冷却のために作動させる際の騒音性能を評価しました。ビルトイン式のサンプルはキッチンの収納キャビネット内に設置し、卓上式のサンプルはテーブルに置いて試験を行いました。

ビルトイン式サンプル全体の性能は良好で、3~4.5点の評価を得ました。卓上式サンプルの性能はまちまちで、6.Geminiのファンは動作が静かで、4点の評価を得ました。一方、8.Whirlpoolと9. Mideaは調理中と冷却中の騒音が大きく、マイナス1点の評価となりました。

使いやすさ:①②⑨⑩が好スコア

  • 取扱説明書
    • 取扱説明書の印刷品質、印刷版とオンライン版の内容の明瞭さを評価します。各サンプルの中国語と英語の取扱説明書の内容は、非常に充実していました。
  • 使用手順
    • 自動調理手順、タイマー、手入れの手順が組み込まれている場合や、キー操作、温度と時間の設定、状態表示、音声による指示など、各サンプルの基本的な調理手順の操作も評価対象になります。
    • 結果 9. Mideaと10.Toshibaの取っ手とボタンは操作しやすく、ディスプレイは鮮明で分かりやすく、性能も優れていました。
  • 日常操作
    • トレイの出し入れ、外からの調理状況の確認、オーブンドアの開閉、使いやすさなどが含まれます。
    • その結果、2.Siemensと9.Mideaは、オーブン内の照明とガラスドアや窓の設計により調理状況を明瞭に確認でき、適度な力でオーブンドアを開閉できるため、優れた性能を示しました。
  • 手入れのしやすさ
    • 一般的な使用後の掃除の手順を評価します。オーブンの内壁、オーブンのドア、プレートラックの清掃、およびガラスや操作スクリーンを含む外部表面の清掃の容易さが含まれます。
    • ほとんどのビルトイン式には清掃のためにオーブンのドアとガラスを取り外す方法が記載されています。3. Electroluxのドアは取り外しが困難でした。

まとめ

  • 香港消費者委員会がスチームオーブン10種を調査
  • 10種類すべて安全性試験に合格
  • 出力表示と実測値は国際基準内で一致
  • 予熱・温度制御・調理性能は概ね良好
  • 一部で騒音や電力表示の改善点あり
  • 使いやすさ・手入れは製品で差が出た

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この記事を書いた人

広東語が好き、おうちで香港料理に挑戦中。

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