第1回 海外生活が子どもの成長に与える価値とは
海外駐在で最も大切な「家族」と「教育」
皆さんこんにちは清水大輝と申します。私は1979年から47年間海外生活を送っています。自動車のエンジン、その他工業製品のファインケミカルメーカーの現地法人の代表としてアメリカ、中国、香港、東南アジアと仕事をして参りました。
海外駐在員の一番の関心事は家族の健康と子供の教育です。仕事は日本であれ海外であれその土地の商習慣や国民性、そしてその土地の言葉を修得していきます。幸い私の場合はアメリカ生活が長かったことから、英語で中国・台湾・フィリピンを行き渡って、言葉に困る事はありませんでした。
このたび、My Hong Kongでご縁をいただき海外生活仕事子供の教育そして海外での家庭生活病気等の対応対処などなど私達の拙い経験を通してお伝え出来ればと思います。
またアカデミックな観点からのアプローチはその道のprofessionalである海野先生、大学受験などの合格体験などは偏差値の高い大学の現役大学生の合格体験記などリレー形式でコラムを掲載していく計画です。よろしくお願い申し上げます。
アメリカで気づいたキーワードは“Unfair”
まずはアメリカのLAからシンシナティオハイオでの経験です。アメリカ人が言われて一番気にする、あるいは言われたくない言葉は「アンフェア(Unfair)」だと気付きました。
具体的にはこうです。前述のとおり、私はケミカルメーカ―で勤務していました。ある日、取引先からケミカル月50トンの見積もりを出させておきながら、フタを開けると実際の取引きは5トンだと言われた事があります。取引量によって割引率などが変わりますから、大量の取引をにおわせて割安の値段を引き出し、実際は少ない取引量でその値段に準じるように要求する、という行為は「フェア(Fair)」とは言えない行為です。
「It is unfair.」
その時、私はこの言葉を使い、交渉のやり直しに取りつけ、切り抜けました。10年もかかってやっと取り引きができる様になった相手でしたから、大変勇気のいる駆け引きでした。
「It is unfair.」は、アメリカでは子どもから主張に使う言葉です。アメリカにおいては、それほど「フェア(Fair)」であることに正当性を置いており、社会通念の根幹であるといえるでしょう。それを知っていたからこそ、相手の「フェアネス(fairness)」を刺激し、交渉のやりなおしに取り付けることができたのです。
異文化理解が子どもの未来の武器になる
海外での営業上の交渉では、英語力に加え、日本の固定概念から脱し、多角的に文化を理解する素養がしばしば役立ちます。香港をはじめ、海外の都市で育つお子さんにとっては、こうした「異文化環境の元での生活体験」が大きな武器となるはずです。
これからこのシリーズで皆様のお役に立てる情報や気づきのヒントをお伝え出来れば幸いです。
執筆者プロフィール
清水 円輝
米国に17年間滞在し、キャデラック、クライスラーなど主要自動車メーカー向けエンジン開発にサプライヤーとして従事。
その後、香港を拠点にアジア各国へ滞在。中華圏48拠点の販売網構築、販売法人3社の設立、上海松江および中山市での化学工場設立を主導。マレーシア、タイ、台湾、フィリピンなど華僑ネットワークとの取引を通じ、多様な商習慣と経営文化に精通、アジア市場での事業拡大に大きく貢献した。現在、フィリピン在住。
香港在住時は香港福岡県人会会長を務め、世界大会への参加等を通じ福岡県出身者の絆の強化に尽力した。
現在は英語のオンラインスクール事業を立ち上げ、日本・中国で展開。英語教育に力を注いでいる。

