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【経済コラム】香港の14人に1人が資産2億円以上

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シティバンクの富裕層調査が発表

シティバンクの富裕層調査(香港千萬富翁調査報告2025/Hong Kong Affluent Study 2025)によると、香港で資産1,000万香港ドル(今の為替レートで約2億円)を持つ資産家は去年より1.2%増加し39万5000人で、人口の7%を占めることがわかりました。7%は14人に1人にあたります。彼らが最初に100万香港ドル(2千万円)の資産を形成した平均年齢は34歳で、株式投資と投資信託によるものです。海外資産の保有率は23%といわれています。資産の内訳は、流動資産が49%、不動産が51%で、さらに流動資産のうち55%は現金、33%は株、6%は基金、4%はその他、2%は債券という構成です。

今の為替レートの影響もありますが、今や香港の方が日本より年収平均は高くなっています。しかし香港は日本より物価も高く不動産価格も非常も高いので、支出も多いと思われます。また平均値だけを見ても職業による格差が大きいため、中央の値だけで裕福さは判断できないのが実情です。ただ香港は日本と違って資産を築きやすい環境が整っています。香港ならではの資産形成のからくりを見てみましょう。

資産形成のからくりは?

香港は不動産価格が高く、収入に対して住宅コストの占める割合が大きくなりますが、土地の狭さと交通の便の良さから、社会人になっても親と暮らしている人が多いため、実家にいる限り家賃や生活コストが抑えられます。一般的に独身の時は実家暮らしで支出を抑え、結婚を機に家(マンション)を購入する人が多いです。また不動産を持つことは資産を持つことであり、土地の値段が上がり続ける香港においては投資の一つであり、実際に不動産で資産を築いた人が多くいます。

また、香港は金融商品が充実しています。香港には香港証券取引所があり、香港株はもちろん中国株、米国株、海外の投資信託も購入できます。香港人はお金の話が大好きなので幼い頃から大人たちの株や投資の話を聞いて育ち、金融リテラシーが非常に高いので、老若男女問わず誰もが生活の一部として資産運用をしています。

投資意欲を高める香港の税制

さらに香港の投資意欲を高める背景には香港の税制があります。香港の給与所得税は最初の500万香港ドルには15%、それを超える分には16%となっており、日本に比べると低い税率に驚かされます。さらに資産の売買によって得られる利息や配当によって得られた儲け(キャピタルゲイン)は、基本的に課税されません。相続税や贈与税もかからないため、裕福な家庭は次の世代も裕福であり続けられます。さらに法人税も16.5%と低税率なので、会社員をしながら起業して個人事業主をしている人も珍しくありません。日常会話の中でビジネスチャンスについて語るくらい、起業家精神が強いのも香港人の特徴です。

まとめ

  • 香港人口の7%が資産2億円以上
  • 平均34歳で資産2000万円を形成
  • 資産構成は不動産51%・流動49%
  • 金融商品が充実し投資文化が根付く
  • 税制優遇で投資・起業意欲が高い
  • 相続税なしで世代間資産継承が容易

11月26日夕方に発生した大埔の大規模火災に、香港中が悲しみに包まれ心を痛めています。亡くなられた方のご冥福をお祈りすると同時に、一人でも多く方の命が助かりますよう心よりお祈り申し上げます。香港ではホテルなどの宿泊施設が被災者の受け入れを行い、飲食店が無料で食事を提供し、また輸血に必要な血液も足りている状況とのことで、災害時における香港の人々の行動力、団結力には学ぶところが多くあります。

(記事提供:H.S. Planning 2025年11月30日掲載コラム)

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この記事を書いた人

広東語が好き、おうちで香港料理に挑戦中。

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