夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさんの香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラム。
海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!
【第15回】自宅レッスンから街中オフィスへ──決断の裏側

今回から、香港で外国人の私がオフィスを借りられるの?というお話が始まります。まずは、オフィスが必要だと感じた経緯についてお話します。
なんとか運営できていた自宅レッスン
香港に2017年に引っ越して、筆文字講師として活動を始めてから1年目にレッスンできたのはたったの4名。
それが2年目。香港人のグループ4名に英語でレッスンしたことをきっかけに、口コミで問い合わせが一気に増えました。
そこからはもう、毎週のようにレッスン。1回でできる最大人数、8名が当たり前になり、申し込みも止まらず、1〜2ヶ月待ってもらうことも普通にある状態に。正直、こんなふうになるなんて全く想像していませんでした。本当にありがたいことです。
この頃、レッスンはすべて自宅での開催でした。
夫は週末も出張でいないことが多かったので、平日・土日関係なく、リクエストがあればそのまま受けていました。
ただ、たまに「出張が中止になった」「リスケになった」という理由で夫が家にいる!となることもあって。
そういう時は、レッスンの間だけ外に出てもらっていました。ゴルフの打ちっぱなしに行ったり、サウナに行ったり。
(私としては夫が家にいてもレッスン運営に問題はなかったのですが、夫本人がレッスン中は落ち着かないということで、外出してもらっていた、という感じです)
そんな感じで、自宅でもなんとか調整しながらレッスンはできていました。
受講生にとってのアクセスの悪さも課題に
もう一点、ずっと気になっていたのは自宅の立地でした。住んでいたのは、九龍エリアの中でもかなり端の方。
香港はコンパクトで移動もしやすいとはいえ、レッスンに来てくれる香港人の方は、北側(深圳寄り)に住んでいる方も多くて。
申し込みがあっても、レッスン場所を伝えた瞬間に「やっぱり遠いからやめます」と言われることもありました。
自分的には不便とは思っていなかったのですが、来る側からすると、ほぼ香港横断レベル。



「そりゃ遠いよね…」というのは、ずっと感じていました。
とはいえ、申し込み自体は止まらない。
むしろ「遠いけど行きます」と言ってくださる方ばかり。
夫も「そんなにレッスン入れなくてもいいんじゃない?」と言いながらも、むしろ自由に過ごせる外出時間を楽しんでいる感じで、
夫の居場所、立地の問題はあるものの、なんとか運営できていたのでした。
夫の居場所がなくなった日
それが、大きく変わったのが2020年。コロナです。
香港は2003年にSARSを経験していることもあって、みんなの反応も行政の対応もとにかく早い。
規制は一気に厳しくなっていきました。
レストランの人数制限、体温チェック、ゴルフ場やサウナの閉鎖、ショッピングモールのベンチも使用禁止、さらにはトイレまで使えない。
とにかく「滞在できる場所」がどんどんなくなっていきました。
そこで一番困ったのが、レッスン中の夫の居場所。今までは外に出てもらえばよかったのに、そもそも行ける場所がない。
オフィスを構えることにした理由
唯一残されていたのは、家から徒歩5分の海。
しかも、海水浴場みたいな場所ではなく、防波堤だけの海辺。


今はきれいに整備されて、公園もランニングスペースもドッグランもトイレもあるんですが、当時は何もない。
あるのは、防波堤と遊歩道、そして、「これベンチ?」みたいな大きな石だけ。
つまり、その石にじ~っと座っていてもらうしかない。1レッスン4〜5時間。その間、おトイレもいくところがない。
さすがにそれは申し訳なさすぎます。
加えて、レッスン中も家にいるってことでいかがでしょうか、と夫に相談しても「それはちょっと…」という返事。
じゃあどうする?どうすればいい?となった時に、初めて出てきたのが、
「オフィスを借りる」という選択肢でした。
でも、そもそも借りられるの??? というところで、続きは次回です。



次回は、本格的に物件探しを始めたお話です!
まとめ
- 香港移住後、筆文字講師として活動開始
- 口コミで受講者急増、満席続きに
- 自宅レッスンで夫の居場所に課題
- 九龍端の立地が受講者に不便
- コロナで外出先が閉鎖され問題化
- 解決策としてオフィス借用を検討
筆者プロフィール
中川麻紀子
東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。
- 縁Joyアート® 代表
- きらめく漢字アート海外認定校 代表
- 友禅和紙クラフトインストラクター
- 切り紙パステルアート®インストラクター
- ワインソムリエ
- チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
- 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)
Instagram : @studiomk85













