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04: 息子が海外で見つけた“競争”と“可能性”【香港・アジアで育てる!バイリンガル育成論】

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息子が海外で見つけた“競争”と“可能性”

私がバイリンガル教育の重要性について実感し、のちに英語の教育事業に携わるまで至るきっかけとなったのは、私自身の長い海外駐在経験と、それに伴う2人の息子の言語習得を間近で見た経験からでした。ここでは、息子たちの海外での成長の変遷をご紹介し、海外生活における日本人家庭の教育の参考にしていただきたいと思います。

ここからは、前回からの続きとなります。

シンシナティでは、「意識高め」の住まい選び

LAでの暮らしでは、子供たちは山の中腹に位置している素晴らしい環境の学校と住居の生活を楽しんでいました。

ある日、私に転勤命令がでました。行先はシンシナティ オハイオです。

カリフォルニアの青空のもと、素晴らしい環境のもとで仕事をしていた私としては不本意に感じ、一時は本気でスピンアウトを考えるほど悩みました。しかし、その反面これでデトロイトに近くなり、自分のステップアップに一歩近づくと考え、気をとりなおして一家そろってシンシナティに移住しました。

LA時代の教訓から、転勤前に下調べし、地元の最高級住宅街に新築の家を買い求めました。この判断が大当たりです。つまり子供たちが通う学校校区が最高だったからです。同時にこの家が毎年値上がりして、その値上がり分の80%を銀行が貸し付けてくれるのです(キャッシュ・アウト・リファイナンス)。この資金が息子たちのバカ高い私立大学の授業料に化けていくわけですが、当時は全く知らないままの判断ながら、結果大当たりでした。

次男、ライバルを強く意識する

米国中西部地区のシンシナティオハイオは、ドイツ系移民の多い地域です。有名なプロゴルファーのジャック・ニクラウスもドイツ系移民で、コロンバスオハイオ(州都)出身です。冬はマイナス20度になるような自然の厳しい土地です。子供たちはきちんと明日の天候を調べて、その準備をしてから寝床にいくようになりました。毎日晴天の日がつづくLAカリフォルニアと大違いです。

次男はいきなり入学した学校12年生で全米共通テストで全校で2名の成績優秀者となりホワイトハウスのジョージブッシュ大統領(パパブッシュ)のサイン入りの表彰状が自宅に送られてきました。もう一人がイギリス人のJohnでした。

これを機に、次男はJohnを意識し始めます。生涯のライバルとの出会いでした。

Johnがハーバード大学を目指しているのは、公言せずとも半ば公然となっていました。これが次男に大変刺激になったようです。しかし、一緒に切磋琢磨する時間はそう長くはありませんでした。Johnが地元の公立に行かずにPrep School、つまり偏差値も学費も高い、進学専門の私立高校を選んでしまったためです。

次男は家内と私に「僕はなぜPrep Schoolにいけないんだ」と、質問してきました。私たち夫婦にしてみれば米国にPrep Schoolのような存在があることすら知りませんでした。

お金がないから?などと初めてそんなことも発言するようになり、現実の社会の事実に面食らったようです。

後にJohnは見事にハーバード大学に入学(文科系)に入学となりましたが、ITエンジニアを目指している次男はハーバード大学ではなくMITかスタンフォード大学を目指していました。ここからは、変わらずJohnを意識しつつも、日系移民である次男自身の戦いとなっていきます。

厳しいスコア基準と大学の勧誘システム

アメリカの大学は日本の入試と違い、クラブ活動、社会奉仕活動、スポーツ、リーダーシップが問われたうえにSATという英語と数学の共通テストのようなものがあります。

2つの科目それぞれ800点満点です。

数学は日本人で、日本の高校レベルの教育を受けていれば、そんなに苦労をしなくても大体満点の800もしくはそれに近い数字がでます。問題は英語です。800点中 500点取れたらもう御の字です。合計1300点 個の点数でその当時、東京大学 (文科系)に合格していました。1300点を下回り1200点台の後半でも、東大合格というケースもありました。

1200点台で早稲田、慶応にも文句なしに入学できた時代です。

ところがハーバード大学は1500点ないとダメなのです。つまり数学は満点の800点、英語は700点以上が要求されます。次男が目指した、技術系の2大最高峰のMITおよびスタンフォードも同様に、基準は1500点前後です。

次男の模擬点数は1400点代でした。

アメリカの大学では、優秀な学生を積極的に勧誘するシステムがあります。日本の大学の広報活動とは大きく違い、ローラー戦術式です。それぞれの学校の卒業生が、どの地区に〇〇という成績優秀者がいる、という情報をもとに手弁当で家庭訪問してくるのです。相当に熱心な取り組みで、いわゆるアイビーリーグのOBが我が家にも家庭訪問してきました。

ハーバード大学卒業の仕事での付き合いのある弁護士さんからも息子のことを話題にされました。

「英語の点数はあと何点足りないのか?」と聞かれ、その弁護士さん曰く、夏休みの2カ月ほど毎日自分の事務所に来てくれれば、英語は600点から700点まで引き上げてあげるとのこと。

結局、その弁護士さんにお世話になることはありませんでしたが、優秀な学生を引き上げ、勧誘しようという機運の高さを知らされました。

息子は自分なりの作戦があったようです。本人はわたしにも家内にも一切打ち明けないまま、彼がたてた作戦のとおり受験は進んでいきました。勧誘をうけたコーネル大学やほかのアイビーリーグにも目も向けず、ひたすらにMITを目指すという徹底ぶりでした。

執筆者プロフィール

清水 大輝

米国に17年間滞在し、キャデラック、クライスラーなど主要自動車メーカー向けエンジン開発にサプライヤーとして従事。

その後、香港を拠点にアジア各国へ滞在。中華圏48拠点の販売網構築、販売法人3社の設立、上海松江および中山市での化学工場設立を主導。マレーシア、タイ、台湾、フィリピンなど華僑ネットワークとの取引を通じ、多様な商習慣と経営文化に精通、アジア市場での事業拡大に大きく貢献した。現在、フィリピン在住。

香港在住時は香港福岡県人会会長を務め、世界大会への参加等を通じ福岡県出身者の絆の強化に尽力した。

現在は英語のオンライン学習事業を立ち上げ、日本・中国で展開。英語教育に力を注いでいる。

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