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【第33回】ちょっと不憫な香港雑学集

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【第33回】海を渡った「和製ドラゴン」――倉田保昭と『Gメン’75』

1975年から1982年まで放送された刑事ドラマ『Gメン’75』。昭和を代表する刑事ドラマの一つとして親しまれました。リアルタイムや再放送で見ていた方なら、メンバーが滑走路を横一列に歩く印象的なオープニングを思い出すのではないでしょうか。

今年7月、「Gメン’75」放送50周年を記念して、全話を包括したリマスター版Blu-rayボックスが発売されました。

『Gメン’75』と香港の縁

実はこの『Gメン’75』、香港とも非常に縁の深い番組なのです。香港では『猛龍特警隊』のタイトルで放送され、広東語版の主題歌も作られるなど、人気を博しました。さらに番組では香港ロケも行われ、香港を舞台にしたエピソードが制作されました。

草野刑事最後の戦い(写真:東映)

倉田保昭、香港映画界へ挑戦

1966年に俳優デビューした倉田さんは、東映などで俳優経験を積んだ後、単身香港へ。当時の香港では、ブルース・リーの登場などを背景に、武術を前面に出した映画が次々と作られていました。1971年にショウ・ブラザーズ作品で香港映画界にデビューした倉田さんは、「和製ドラゴン」と呼ばれる人気アクション俳優となり、ブルース・リー、サモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェンらとも親交を深めました。

映画『夢物語 The Living Dragon』より、サモ・ハンと拳を交える倉田さん。(写真:アートポートインベスト(株)/(株)倉田プロモーション/武蔵野興業(株))

草野刑事の躍動と香港ロケ

その後、日本に戻った倉田さんは、同番組に草野刑事役で出演。空手や格闘技を生かしたアクションで人気を集めました。

そして、香港で培った経験と人脈が生かされたのが香港ロケでした。倉田さんは自らプロデューサーに申し出て、現地スタッフから食事までを手配。出演者でありながら、香港側との橋渡し役まで担いました。こうして香港ロケ編は、『Gメン’75』を代表する人気シリーズとなりました。

貴重な九龍城砦撮影と世界的評価

中でも今となっては貴重なのが、九龍城砦での撮影です。当時でさえ撮影が難しかった場所に入り、スタッフや出演者が絶対にはぐれないよう、全員で手をつないで撮影に臨んだといいます。今はなき九龍城砦の姿が、『Gメン’75』の映像には残されています。

その後、倉田さんは香港をはじめ国内外で活躍。サモ・ハンやジャッキー・チェン、ジェット・リーらとも共演し、香港映画への出演は100本を超えます。2017年公開の『戦神 ゴッド・オブ・ウォー』では、香港電影評論学会大奨の最優秀男優賞を受賞しました。

武道普及と門下生の育成

香港では「倉田保昭空手道館」を構え、長年にわたり武道の普及にも尽力。日本で設立した倉田アクションクラブなどを通じて育てた門下生は約2万人にのぼり、現在、国内外で活躍するアクション監督の谷垣健治、坂本浩一、下村勇二もその出身です。

80歳、俳優生活60周年の挑戦

映画『夢物語 The Living Dragon』より。(写真:アートポートインベスト(株)/(株)倉田プロモーション/武蔵野興業(株))

そして2026年、倉田さんは80歳。俳優生活60周年を迎えた今も現役です。今年公開された主演映画『夢物語 The Living Dragon』では、自ら企画・製作総指揮を務め、旧知のサモ・ハンとも再共演。監督を務めたのは、愛弟子の谷垣、坂本、下村の3人でした。

『Gメン’75』から半世紀。今も香港では、日本のドラマやアニメ、映画をはじめ、さまざまな日本のコンテンツが親しまれています。倉田さんと『Gメン’75』が結んだ香港と日本の縁も、エンターテインメントを通じて脈々と続いているといえるのではないでしょうか。

映画交流が両国の文化を豊かにしていますね。

映画『夢物語 The Living Dragon』

アクション俳優として60年のキャリアを誇る倉田保昭が、80歳の節目に自ら製作したオムニバス映画『夢物語』。本作は、“挑戦する心は年齢を超える”という信念をテーマにした3つの物語で構成され、日本と香港を舞台に、それぞれ異なる設定や登場人物を通じて人々の夢や生き方を描きます。

監督は、倉田さんの門下生であった坂本浩一、谷垣健治、下村勇二の3人が担当。倉田さんをはじめ、サモ・ハンらが出演します。80歳を迎えた今なお挑戦を続ける倉田保昭の生き様が色濃く反映された作品です。

タイトル:『夢物語 The Living Dragon』
主演:倉田保昭
特別出演:サモ・ハン
出演:武田梨奈、加藤雅也、高岩成二、谷口布実
監督:坂本浩一、谷垣健治、下村勇二
上映時間:78分
配給:武蔵野興業

2026年10月2日現在、劇場公開中。劇場情報は、以下リンクよりご確認ください。

まとめ

  • 『Gメン’75』は香港で『猛龍特警隊』として人気
  • 倉田保昭は香港映画界で「和製ドラゴン」と呼ばれる
  • 香港ロケを倉田が橋渡し役として実現
  • 九龍城砦での貴重な撮影が映像に残る
  • 香港映画出演100本超、国際的に活躍
  • 80歳で主演映画を企画・製作し現役続行

次回記事は10月28日 公開予定です!

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この記事を書いた人

香港生活20ウン年。年々クリーンに生まれ変わる香港で、いかがわしさとしたたかさの残り香をひっそりと嗅ぎ漁っています。

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