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【第4回】香港で、自分の価値を仕事にする—マキコの実録コラム

目次

BRって必要?登録していなかった私が動き出したわけ

銀行口座が作れない…その原因は?

夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさん。

日本での準備期間を経て、香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラムがスタートします。海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!

今回はお仕事をするうえで重要なBRのお話です!

香港で個人の銀行口座を作ろうとしたのですが、うまくいかなかった話は、前回のコラムで。そこから私は、いったん銀行口座開設をあきらめて、放置していました。そんな私が「ついに銀行口座開設!」という一歩を踏み出せたのは、「BR(Business Registration Certificate)」を取得してからのことでした。

BRとは、香港で事業や事務所を運営する際に必要な商業登記証のこと。法人はもちろん、個人であっても商業活動をするなら必ず必要な登録です。そして、1年ごとに収入に応じた税金の申告も求められます。

登録していない人が多い現実

当時の私は、筆文字レッスンを自宅で月に数回あるかないか、現金でやりとりする程度の個人事業主でした。さらに、香港在住日本人向けの情報誌で編集アシスタントのアルバイトもしていて、時給50ドル×4時間、週2回ほど働いていましたが、こちらも毎月現金払い。税金に関するアドバイスは一切ありませんでした。

趣味でお花やアクセサリーを教えている、周囲の駐在妻たちに聞いても、誰もBR登録をしていませんでした。「そんなに稼いでないし、そういうのいらないんじゃない?」という空気で、積極的に「登録した方がいいよ」と言ってくれる人は皆無。

私自身も、税金や会計が本当に苦手で…。家計簿すら続かないタイプなので、商業登記や税金の申告なんて、考えたこともありませんでした。

登録を決意したきっかけ

そんな私の気持ちが大きく変わったのは、インスタで筆文字作品を毎日投稿し始めて、生徒さんが少しずつ増えてきた頃のこと。香港で長くアクセサリー教室をされている方と知り合いになり、仕事の進め方についてアドバイスをいただいたんです。

「個人でもBR登録は必要だよ。初年度は税金がかからないし、控除額を超えなければ申告しても無税。だからこそ、ちゃんと登録しておいた方が安心だよ」と言われました。

さらに衝撃だったのは、「香港では、知らない人が税務署に“あの人BR登録してないかも”って告げ口することがある」という話。しかも、告げ口するのはたいてい同業他社だそうで…。

「今、仕事が増えてきているなら、その前に登録しておいた方がいい。後からバレると大変なことになるよ。BRを持っていれば、誰からも後ろ指をさされないから、収入が少なくても堂々と活動できるよ」と言われたんです。

相談のため、すわ税務署へ!

これはまずい!と、すぐに登録を決意。法人のBR登録はネットにも情報がたくさんありますが、個人で登録する方法はほとんど見つかりませんでした。そこで、「ひとまず税務署に行けばなんとかなる」と思い、直接ワンチャイ*の税務署へ向かうことに。

実際の手続きについては、次回に続きます。

*現在、税務局は啟德に本拠地を移しています。

まとめ

  • 銀行口座開設にBRが必要だった
  • 個人でも商業活動には登記が必要
  • 趣味レベルでも登録は検討すべき
  • 税金の申告は控除内でも必要
  • 告げ口文化があるので注意が必要
  • 個人登録の情報は少なく不安も多い

次回は、2025年12月5日公開予定です!

筆者プロフィール

中川麻紀子

東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。

  • 縁Joyアート® 代表
  • きらめく漢字アート海外認定校 代表
  • 友禅和紙クラフトインストラクター
  • 切り紙パステルアート®インストラクター
  • ワインソムリエ
  • チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
  • 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)

Instagram :  @studiomk85

  • ワークショップのご案内

香港では、ワーキングビザを取得した家族がスポンサーとなって「配偶者ビザ」を取得した人は、現地での労働が可能です。ただし、駐在員を派遣する企業によっては帯同家族の就労について取り決めがある場合もあります。当コラムを参考にされる場合は、ご注意ください。

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