【第3回】銀行口座がない!駐在妻の壁
夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさん。
日本での準備期間を経て、香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラムがスタートします。海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!

マキコです!はやいものでもう第3回!
レッスン料が受け取れない?
筆文字講師としてレッスンを始めたものの、すぐに次の壁にぶつかりました。「レッスン料どうやって受け取る?」問題です。
もちろん、最初は現金当日払いのみ。でもやっぱり事前に支払いがあるほうが安心だし、それには銀行口座が必要! と感じ、自分の口座を作らなくてはと、動くことにしました。
銀行口座開設のために奔走
ところが、駐在妻が口座を開設したという情報がほとんどなくて…。友達に聞くと、旦那さんの口座から家族口座を作ったとのこと。でも私が銀行に行って「家族口座を作りたい」と言っても、なぜか 断られてしまい、作れなかったんです。
じゃあ、自分の口座を作ろう!と銀行にかけ合ったところ、HSBCでは英語面談が必須。また、他の銀行では、給与所得の証明や公共料金の郵便物での住所証明が必要とのこと。
唯一、スタンダードチャータード銀行だけが「銀行から送った郵送物を証明にすればOK」と提案してくれましたが、夫のメインバンクが違っていたので、振込手数料が気になり断念。後から「香港の銀行は他行でも振込手数料がかからない」と知って、あ〜もったいなかった!と反省しました。
いろんな証明書を集めてトライ
最終的には、やっぱり夫のメインバンクであるハンセンバンクで口座を作ろうと決意。まずは夫の会社の人に通訳をお願いして、香港に来たばかりの外国人で職業がフリーランスの立場でどうすれば口座が作れるかアドバイスをもらいました。
その後、日本で婚姻証明を取得し、英訳を依頼。香港の領事館で証明書をもらい、再び窓口へ。でも結果は…ダメでした。理由は明かされませんでしたが、「給与所得がない」ことがネックだったようです。
ちょうど世界中の銀行がマネーロンダリング防止のために外国人の口座開設を厳しくするルールを作り直したタイミング。外国人がフリーランスの立場で銀行口座を作るというのが、格段に厳しくなり、ハードルが上がってしまったんです。
ちなみに、住所証明はAEONのクレジットカードでOKでした。AEONカードは香港で当日発行される便利なカードで、「日本人なら信用あるから大丈夫」と言われた時は、先輩日本人たちが築いてきた信頼に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
香港人の「今を生きる」価値観に驚き
少し話がそれますが、香港のクレジットカード文化にはちょっと驚きが。最低支払額だけ払って残りはツケにするスタイル。利息はかかるけど「今のお得を選ぶ」考え方が根底にあるようです。歴史的背景を考えると、「今が大切」には大いに納得できる部分もありました。
イオンカードがすぐ作れたのには、日本人が毎回ツケでなく、毎月全額払ってきた(たぶんですけど)この信用の積み重ねなんだろうな~と。日本人らしさ、バンザイですね!
2年後にようやく口座開設!
結局、銀行口座開設は断念。2年間は現金払いで講師活動を続けることに。でも、あることがきっかけでハンセンバンクの口座がさらっと開設でき、さらに2年後にはHSBCでも自力で口座開設に成功できたんです!
それができたのは、香港で活動するための登録をしたのがきっかけでした。
この続きはまた次回に続きます。
まとめ
- 銀行口座が開設できず苦戦
- 英語面談がハードルに
- 婚姻証明の英訳で挑戦
- イオンカードで住所証明
- 香港人の支払い文化に驚き
- 2年後に口座開設に成功
筆者プロフィール
中川麻紀子
東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。
- 縁Joyアート® 代表
- きらめく漢字アート海外認定校 代表
- 友禅和紙クラフトインストラクター
- 切り紙パステルアート®インストラクター
- ワインソムリエ
- チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
- 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)
Instagram : @studiomk85











