【第2回目】香港で働くために、私が選んだ道
夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさん。
日本での準備期間を経て、香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラムがスタートします。海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!

こんにちは!マキコです!
駆け込みで資格取得!筆文字との出会い
香港行きが決まってから半年。英語力を上げようと通い始めた英会話教室で、筆文字を教えている講師の方とクラスメイトになりました。
「同じ漢字を使っている国・香港なら、文字でコミュニケーションできるかも」と、言葉の壁を文字でカバーしようという、ちょっと安易な発想から、私も筆文字にチャレンジしてみることにしました。
実際に来てみて、香港で使われる漢字は繁体字で、日本とは違うものだとわかったのですが、当時の私には、おんなじ漢字に思えたんです。
字もイラストも苦手だった私が、まさか筆文字に挑戦するなんて…。でも、香港で「私、何もできないんだよね…」という劣等感をどうにかしたくて、必死でした。
講師養成講座への参加を勧められたのは、香港出発の1カ月前。基礎と応用講座はなんとか終えたタイミングで、まさかの「講師になりませんか?」というお誘い。講座は高額で、夫には「そこまでお金をかけてやる意味ある?」と大反対されました。
香港で働ける?配偶者ビザを確認
香港で駐在妻が働けるかどうかは、情報が少なくて不安でした。いろんな方に協力してもらい、「配偶者ビザがあれば就労可能」と確認。さらに、夫の会社にも帯同家族に関する就労制限はないことも確認できたので、具体的にどんな仕事をするか考え始めていました。そんなときに筆文字の講師のお話を受け、「資格を取るなら今しかない!」と決意を固めました。
香港で活用できるかはまったく想像できなかったけれど、「何もできない私」を払拭するには、これしかないと思ったんです。夫は最後まで反対だったので、親に借金して講師養成講座を受講することに。
当時はコロナ前。オンライン受講はなく、東京の現地講座に通うしか方法がありませんでした。結局、香港に引っ越した後に一時帰国して講座を修了。筆文字講師資格を取得しました。
とはいえ、修了直後は仕事の予定はゼロ。どう活動していいかもわからず、借金だけが残るという、まさにマイナスからのスタートでした。
それでも、「私でも香港でできる仕事ができた」という実感は、本当に大きな大きな心の支えになりました。
香港生活に慣れるまで
香港での生活のスタートは、まず、生活に慣れることから。スーパーで買い物するだけで3時間、食事を作るだけで2時間(料理も苦手だったんです)。毎日が見たことのない異文化の連続で、口がずっと開きっぱなしなくらい、驚きの連続でした。
知り合いゼロからのスタートでしたが、日本の友達経由で「友達の友達が香港に住んでるよ〜」とか、「仕事関係の人を紹介するね」といったご縁がつながり、少しずつ交友関係が広がっていきました。
毎回初めて会う人からは「毎日何をしてるの?」と聞かれるので、レッスンの予定は全くなかったのですが「筆文字講師やってます」と答えていました。するとそのうち、興味を持ってくれる方が現れ、なんとレッスンをさせてもらえることに。香港で生活を始めて、3ヶ月。ようやく筆文字講師としての一歩を踏み出すことができたのです。
次は、ようやく始まったレッスン。そこに現れた、大きな壁。。。のお話を。
まとめ
- 筆文字との偶然の出会い
- 養成講座に借金して参加
- 配偶者ビザで就労可能と判明
- 一時帰国して資格を取得
- 香港生活は驚きの連続
- 筆文字講師として活動開始
筆者プロフィール
中川麻紀子
東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。
- 縁Joyアート® 代表
- きらめく漢字アート海外認定校 代表
- 友禅和紙クラフトインストラクター
- 切り紙パステルアート®インストラクター
- ワインソムリエ
- チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
- 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)
Instagram : @studiomk85











