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【第12回】機内盗難の現状とリスクの高まり
油断しやすい機内で盗難が多発
香港は比較的治安の良い都市ですが、機内は油断しやすい空間です。香港保安局のデータによると、2024年の最初の10ヶ月で香港発着便での機内盗難が169件報告され、前年の同期間比で約75%増加しました。 主に東南アジアからの短距離便で発生し、被害総額は約432万香港ドル(約7800万円)に上ります。
機内で盗難が多い理由
機内では乗客は周囲に無関心になりがちで、犯人が堂々と行動しやすいこと、窓側席では荷物棚の監視が難しく、到着後に気づく事があり対応が難しい部分があります。
犯行の特徴
犯人は乗客の行動を見て狙います。

- 就寝時の隙
夜便で眠っている間に、座席ポケットや手元の貴重品を抜き取る。携帯電話や財布がターゲットになりやすく、とっさに紛失か盗難か判断しにくいのが特徴。 - 荷物棚からの持ち去り
頭上の棚からバッグを開けて中身を盗む。到着後に気づくことが多く、犯人が先に降機しているケースも目立ちます。 - 席を離れる瞬間
トイレに行く際に座席や棚に置いた荷物を狙う。短時間でも隙ができるので狙われやすく、共犯者が連携する手口も報告されています。 - 共犯者の連携
窃盗犯複数人で周囲の席を取り囲み、注意を逸らしながら盗む事例もあります。
心構えと対策
被害を防ぐためには、日頃の心構えが大事です。簡単な対策を箇条書きでまとめました。
- 貴重品の常時携帯
パスポート、財布、携帯は肌身離さずマネーベルトや内ポケットにしまう。機内持ち込みバッグは膝上や足元に置き、紐で足に固定すると安心。 - 就寝時の工夫
眠る際は貴重品を手で握ったままにしない。 - 席選びのポイント
通路側なら荷物の確認がしやすい。窓側の場合、バッグを足元に置き、荷物棚は最小限に。家族連れは隣席を確保して互いに見守る。 - 離席時の注意
トイレに行く時は貴重品をすべて持ち歩く。同行者が見ているのなら座席下の奥に押し込んでもよいが、戻ったらすぐに中身を確認する習慣を。 - 周囲の警戒
不審な動きを見かけたら、遠慮なく客室乗務員に伝える。小さな気づきが被害を防ぎます。 - 書類の備え
パスポートのコピーや緊急連絡先を別途保管。
被害に気付いたら
万一、機内で被害に気づいたら、落ち着いてすぐに客室乗務員に報告。到着後には英語対応も可能な空港警察に届け出、総領事館にも連絡。パスポート紛失時は、警察の紛失物申請を取得し、再発給手続きを急ぎましょう。被害を抑えるための保険加入も忘れずに。
ワクワクする旅の開始の機内から対策を講じて、素敵な思い出を作ってくださいね。

機内も気を抜かず盗難対策をしましょう!
まとめ
- 貴重品は肌身離さず携帯する
- 就寝時は貴重品を握らない
- 通路側席で荷物確認しやすく
- 離席時は貴重品を持ち歩く
- 不審者はすぐ乗務員に通報
- パスポートのコピーを別保管
<著者プロフィール>
Mr. イワミ
香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとして安全を守る仕事をしています。施設やイベントの特性に合わせたセキュリティ計画を立て、リスクを未然に防ぐことに力を入れています。日本のきめ細やかな視点とグローバルな感覚を活かし、現場から管理まで堅実に対応。仕事の合間には街を歩いて周囲の状況を観察したり、新たな改善点を見つけたりしています。あなたの安全と目標を一緒に守るパートナーになれれば嬉しいです。
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