【第4回】 香港で主流のキャッシュレスサービスと防犯策について!
以前に解説した防犯策に続き、今回はキャッシュレスサービスの防犯効果を紹介します。香港は金融ハブとして魅力的ですが、2024年上半期の犯罪45,315件のうち約7割(31,720件)が詐欺で、デジタル化が進む中、新たな脅威が増え続けています。安全なキャッシュレス利用を活かして、あなたの環境をより良くしましょう。
香港で一般的なキャッシュレスサービス
香港では、キャッシュレス決済が生活に深く根ざしています。
- Octopusカードは、日本のSonyが開発したFeliCa技術を基に、1997年から公共交通や小売で98%の市民に愛用されています。
- AlipayHKやWeChat Payは、QRコード決済で330万以上のユーザーを誇り、地元のカフェや小売店はAlipayHKで顧客との絆を深め、売上を伸ばしています。
- PayMe by HSBCは、320万ユーザが利用し、HSBCのセキュリティで信頼性が高い決済手段です。
- Faster Payment System(FPS)は電話番号やメールで瞬時に送金できます。
- Apple Payはデータを守る技術と指紋認証などで安全を確保しています。
これらは取引をスムーズに追跡できる点が安心できるので、現金より安全といえます。

キャッシュレスサービスの防犯効果は?
キャッシュレスサービスの防犯効果は顕著です。2024年10月のディープフェイク詐欺(被害36億香港ドル)では、デジタルウォレットの追跡機能で不正送金を特定しました。
さらに、香港を訪れる観光客は、現金よりOctopusやApple Payを使うことで、盗難の心配を軽減できます。Visaの最新調査によると、91%の市民がカードやアプリを日常的に使い、現金利用は25%まで低下しました。一方で、中小企業はAlipayHK内の「Brand Channel(ミニウェブサイト)」で信頼を築き、詐欺リスクを減らしながら事業を拡大しています。
アプリは安全でも、まだまだ落とし穴が!
しかし、詐欺師は偽QRコードやフィッシングでアプリを悪用します。2025年4月のVTuber詐欺では、偽決済リンクで被害が発生しました。
公式アプリを確認し、パスワードを強化することが不可欠です。PayMeも偽QRコードに注意し、公式アプリで安全性を確保しましょう。以前に紹介したVPNや二要素認証、ログ監視も大いに役立ちます。Octopusも同様に、偽QRコードに注意が必要です。こうした対策を組み合わせ、不正を早期に発見し続けましょう。
安全なキャッシュレス利用は、香港のビジネス環境を強くします。プライバシーを守り、詐欺や盗難を防ぐことで、今後ますます安全で快適な環境を築き続けましょう。
まとめ
- 香港の詐欺被害は増加(2024年上半期の犯罪の約7割)
- 主要キャッシュレス決済(Octopus, AlipayHK, PayMe, FPS, Apple Pay)
- デジタルウォレットの追跡機能(不正送金の発見に貢献)
- 観光客もキャッシュレスで安全(盗難リスクの軽減)
- 偽QRコード・詐欺リンクに注意(フィッシング詐欺が発生)
- VPNや二要素認証で防御強化(安全なキャッシュレス利用)

ますますスマホが手放せない生活に!
<著者プロフィール>
Mr. イワミ
香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとして安全を守る仕事をしています。施設やイベントの特性に合わせたセキュリティ計画を立て、リスクを未然に防ぐことに力を入れています。日本のきめ細やかな視点とグローバルな感覚を活かし、現場から管理まで堅実に対応。仕事の合間には街を歩いて周囲の状況を観察したり、新たな改善点を見つけたりしています。あなたの安全と目標を一緒に守るパートナーになれれば嬉しいです。

