VALXの香港市場戦略とプロテイン市場の可能性
日本のプロテインブランド「VALX」が香港市場に進出し、新たな消費層の開拓を目指しています。
「香港では、トレーニングをする人の割合が高いにもかかわらず、プロテインを日常的に摂取する習慣がまだ根付いていません。この状況をチャンスと捉え、VALXは「筋トレ層以外」へのアプローチを強化し、女性やシニア層など、より幅広い市場への浸透を図っています」と、VALXのアジア展開のパートナーである、株式会社ウィングファット代表取締役CEOの中込直樹さんは語ります。
香港ではプロテイン飲用文化が浸透していない
香港のプロテイン市場は、欧米のトレーニング文化を持つ人は積極的にプロテインを摂取していますが、その他のスポーツや一般層では「運動後にプロテインを飲む」という習慣がまだ浸透しておらず、1袋を2~3カ月かけて消費するケースが多いといいます。
「日本では筋トレ=プロテインという認識が浸透していますが、香港ではまだそこまで普及していません。特にフィジーク競技者以外は、運動後にプロテインを飲む習慣がほとんどないため、市場としては成長の可能性があります」と中込さんは説明します。




VALXの商品展開と戦略
こうした香港市場の特性を踏まえ、「筋肉のためのプロテイン」だけでなく、「健康維持のためのプロテイン」としての認知を拡大しようとコンセプトを固めています。特に女性やシニア層へのアプローチを重視しており、「骨の健康維持」や「美容効果」といった側面からの訴求を強化しているといいます。
「骨の30%程度はタンパク質でできています。高齢者はカルシウムを意識しがちですが、実はプロテインの摂取も重要です。シニア層に向けて、食事だけでは不足しがちな栄養を手軽に補う選択肢として、プロテインを広めていきたいです」と中込さんは語ります。
また、VALXの商品ラインナップには、筋トレ層以外にも使いやすい「必須アミノ酸」や「女性向けフレーバー」が揃うのも特徴。香港市場でも、日本人好みの味が評価されており、「甘すぎないチョコレート味」や「本物の果実に近いバナナフレーバー」が特に人気です。
今後の展望――プロテイン市場の拡大へ
VALXは今後、女性層やシニア層を含めた新たな市場の獲得を目指すと同時に、プロテインの「健康食品」としての認知拡大に努める方針です。
「『プロテイン=筋肉』ではなく、『プロテイン=健康維持』という新たな価値を根付かせることで、市場の成長を促進し、香港市場におけるポジションを確立していきます」 (中込さん)
香港では規制が比較的緩く、乳製品の輸入における障壁が少ないため、市場展開がスムーズに進む可能性があります。今後は香港を足がかりに、他のアジア市場へも展開を進めていく見込みです。日本市場の成長が限界を迎える中、VALXは「アジア市場開拓」を通じて、さらなる成長を目指しています。
まとめ
- VALXは香港市場で新たな消費層を開拓
- 香港ではプロテイン飲用習慣が未定着
- シニア層・女性層向け商品展開を強化
- 骨の健康維持・美容効果を訴求
- 香港の規制緩和で市場参入が容易
- アジア市場拡大を視野に成長戦略
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