【第18回】大埔火災を悪用した詐欺にご注意ください
みなさん、こんにちは。2025年11月26日に香港新界大埔の公共住宅「宏福苑(Wang Fuk Court)」で発生した大規模火災は、多くの尊い命を奪い、数多くの家族に深い悲しみをもたらしました。この惨事で少なくとも160人近くの方が亡くなり、負傷者も多数出ています。私たち在香港の日本人コミュニティも、心を痛めております。被害に遭われた方々やご家族に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
こうした悲しい出来事の後、残念ながらそれを悪用した詐欺が急増しています。香港警察の詐欺対策コーディネーションセンター(ADCC)から、複数の注意喚起が出されていますので、みなさんにしっかりお伝えします。善意で寄付を検討されている方も、ぜひ慎重にご対応ください。
主な詐欺の手口
これらの手口は、被害者の不安や善意につけ込んだものです。ADCCの注意喚起でこうした事例が報告されています。

偽の寄付依頼SMSやウェブサイト
詐欺師がボランティアや慈善団体を装い、火災被害者のための寄付を呼びかけるSMSを送ってきます。メッセージに埋め込まれたリンクをクリックすると、偽の寄付サイトに誘導され、これまでの詐欺同様に銀行情報やクレジットカード情報を入力させる手口です。また、QRコードをスキャンさせる場合もあります。
偽の「寄付確認」SMS
政府を装って「あなたが寄付をしたので、銀行口座から引き落とされます」という内容のSMSを送り、不審な電話番号へ連絡を促します。電話をかけると、個人情報やオンラインバンキングのパスワードを聞き出そうとします。
大陸当局を装った脅迫電話
「あなたが火災関連の情報を大陸で拡散したり、不正寄付をした疑いがある」と偽り、大陸へ出頭を要求したり、現金送金を迫ったりします。電話番号が「+86」で始まる場合が多く、市民の政治的な不安感に付け込んだ比較的新しいタイプの詐欺です。
毎回掲載させていただいておりますが、詐欺に遭わないためのポイントです
- 不審なSMSのリンクは絶対にクリックしないでください。
- 知らない相手に個人情報(名前、ID番号、銀行口座、認証コードなど)を教えないでください。
- 寄付は必ず公式の信頼できるルートから行ってください。
- 疑わしい場合は、すぐに香港警察の詐欺対策ホットライン「18222」に相談しましょう。
信頼できる義援金の寄付先
安心して寄付できる公式の窓口をご紹介します。
日本人向けの情報サイト「My Hong Kong」(迷香港)では、以下の信頼できる寄付先をまとめています。

主な寄付先例
- 香港政府の「大埔宏福苑援助基金」
- 仁濟医院(Yan Chai Hospital)の緊急援助基金
- 香港紅十字会のオンライン寄付
みなさん、一人ひとりが注意を払うことで、詐欺を防ぎ、本当に必要な方へ支援が届くようにしましょう。私たちも一緒に、この難しい時期を乗り越えていきましょう。
Mr. イワミ皆さんの想いと寄付金が正しい場所へ届きますように。
まとめ
- 火災を悪用した偽寄付SMSが急増
- 政府を装う偽「寄付確認」SMSに注意
- 大陸当局を名乗る脅迫電話が発生
- 不審なリンクやQRは絶対に開かない
- 個人情報は知らない相手に渡さない
- 寄付は必ず公式ルートを利用する
<著者プロフィール>
Mr. イワミ
香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとしてリスクを未然に防ぎ安全を守る仕事をしています。
仕事の合間には街を歩いて香港の環境と状況を観察するのが楽しいです。















