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【第14回】香港生活の安全術!盗難・リスク対策のリアルガイド

目次

【第14回】隣人装い詐欺の事例と手口

今回は、マンションやアパートの隣人・上下階住民を装った詐欺についてのお話です。香港警察の報告に基づき解説します。
この詐欺は近年増加傾向にあり、住宅地での発生が確認されています。

私の体験談

お恥ずかしいことに、私自身この詐欺に遭遇しました。自宅のお風呂場で水漏れがあり、管理事務所を通して下の階から苦情を受けた1週間後、携帯に「アパートの住民です。水漏れの件で連絡を取りたいのですが」という内容のSMSが届きました。相手は親切な主婦を装い、「水漏れは大したことないので気にしないで」と、妙に優しい感じで接し、勝手に自分の家族の話を始めて、丁寧で頻繁なメッセージでこちらの生活や家族の情報を自然に聞き出そうとしてきました。三日ほど妙だと思いながら当たり障りなくやり取りをし三日目にマンションのブロック番号を尋ねられましたが、私のマンションにはブロックが存在せず、ようやく偽物と理解し、即座に遮断しました。このように、実際のトラブルにタイミングを合わせて接触してくるため、注意が必要です。詐欺師が住民の連絡先やトラブル履歴を不正に取得している可能性もあり、管理会社や修理業者、近隣住民との会話から情報が漏れるケースも報告されており今後も増加する詐欺です。

手口のポイント

警察によるとこの詐欺はSMSを活用した以下の流れが一般的です。

  1. トラブルを理由とした初回連絡、例えば水漏れや騒音を挙げ、「隣人です」と名乗る。プロフィール画像は若い主婦などの善良で親しみやすいものを用いる。
  2. 問題を述べつつ「大したことない」と言って安心させ信頼を構築し、雑談を通じて家族構成や連絡先、生活情報を尋ねる。やり取りは何日にもわたる。詐欺師は住民データを不正入手し、実際のトラブルを利用。
  3. 一部では「流水羅曼史(Seepage Romance:水漏れロマンス詐欺)」と呼ばれる変種もあり、感情的なつながりを装い、親しくなってから金銭を要求するパターンもあります。

目的

警察の分析では、主に以下が挙げられます。

  • 個人情報の悪用:アイデンティティ盗用、口座乗っ取り、不正利用と言った金融詐欺の準備。
  • データ取引:闇市場での売却、他の犯罪への活用。
  • 金銭要求:修理費名目での送金誘導。またはロマンチックな雰囲気を作り出してのロマン詐欺。

被害回避のため以下を推奨します

  • 管理事務所経由で確認し、住所・家族事項は絶対に開示しない。
  • 住民間の希薄な交流がリスクを高めており、なりすましを防ぐためにも、ある程度の近所付き合いを持つ。
  • 詐欺電話、メッセージ対策アプリやサービスの導入
  • 怪しいと思った時は知り合いや警察ホットライン(18222)、PCPD(2877 7112)で即時相談を。ADCCサイト(www.adcc.gov.hk)にも情報あり。

まとめ

  • 隣人装いSMSに即応せず確認を
  • 家族構成や住所は絶対に開示しない
  • 実際のトラブルに便乗する手口に注意
  • 管理事務所経由で本人確認を徹底
  • 詐欺対策アプリや通報先を活用する
  • 近所付き合いでなりすましを防止
Mr. イワミ

身近に潜む危険を察知する為に疑う勇気を持ちましょう!

次回は11月10日 公開予定!

<著者プロフィール>

Mr. イワミ

香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとしてリスクを未然に防ぎ安全を守る仕事をしています。
仕事の合間には街を歩いて香港の環境と状況を観察するのが楽しいです。

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この記事を書いた人

香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとして安全を守る仕事をしています。

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