第5回 SNSサービス使用における防犯
もっとも懸念するべき点は個人情報の悪用
以前に解説した防犯策に続き、今回はWhatsAppやFacebookなどのSNS利用における防犯意識を紹介します。詐欺リスクが高まる中、我々がもっとも懸念するべき点は個人情報の悪用です。安全なSNS利用であなたの環境をより良くしましょう。
WhatsApp利用者は香港市民の70.6%
香港はSNS社会です。最新の調査では、WhatsApp利用者は香港市民の70.6%、Facebook利用者も同じく70.6%で、実に多くのユーザーが両方を利用しています。Instagramは58.2%、LinkedInは19.7%、日本での利用者の多いXはLineは22.8%です。
香港で最も利用されているSNS
- WhatsApp 70.6%
- Facebook 70.6%
- Instagram 58.2%
- WeChat 49.4%
- Messenger 40.3%
- TikTok 31.3%
- X 24.7%
- Telegram 23.7%
- Line 22.8%
- LinkdIn 19.7%
- iMessage 18.0%
- Signal 17.3%
- Threads 16.6%
- Pinterest 14.0%
- Snapchat 13.3%
(出典:2025 Global Digital Report | Hong Kong | weare.social & Meltwater)
WhatsAppは電話番号ベースのメッセンジャーツールとして、個人間やグループの通信に幅広く欠かせません。一方、Facebookは公開投稿やコミュニティを活用した交流ツールとして、情報共有やビジネスに役立ちます。しかし、どちらも詐欺の危険が潜んでいます。
特にFacebookは交流ツールとあって、知らない人とのやり取りも躊躇なくできてしまうので、警戒心が低くなってしまいがちです。

アプリの特性に応じた詐欺が横行
興味深いのは、それぞれのアプリの特性に応じた詐欺が横行している点です。
- WhatsAppでは、偽グループチャットによるフィッシング詐欺が横行
- Facebookでは、偽広告や偽決済リンクが拡散
- Instagramは偽プロモーションが拡散
- LinkedInは偽求人が拡散
- Xは偽金融アドバイスが拡散
- Weiboは偽通販リンクが拡散
そして、これらの詐欺は主に個人情報を狙います。

個人情報は死守したいですね!
旅行中の投稿もキケン!思わぬ”情報”が漏洩します
詐欺の多くがSNS経由の情報漏洩に関係して発生します。そこで、WhatsAppでは知らない番号からの連絡には注意しつつ、特にグループ招待を制限することが重要です。Facebookで個人情報や予定を公開すると、危険を招きかねません。例えば、旅行中の投稿は空き巣に自宅の留守を知らせ、被害を招く恐れがあります。そのため、友達限定の投稿や予約投稿で帰宅後に公開すれば、リアルタイムの留守を隠せます。
Facebookの広告は詐欺が多いため、欲しい商品が見つかっても、大手通販サイトで探すのが安全です。怪しいウェブサイトや電話番号の確認には、政府が提供するScameter+アプリを使うと安心です。これは次回、詳しく紹介します。これらをキャッシュレス決済と組み合わせ、積極的な防犯を心がけましょう。


安全なSNS運用は、香港の生活を強くします。プライバシーを守り、詐欺や空き巣を防ぐことで、安全で快適な環境を築き続けましょう。次回は、最新の防犯ツールでさらなる安心を追求します。
まとめ
- WhatsAppは知らない番号の連絡とグループ招待に注意。
- Facebookの公開情報が詐欺や空き巣のリスクを高める。
- SNS詐欺は個人情報を狙い、偽広告やリンクが多発。
- Facebookの広告は疑い、公式通販サイトを利用する。
- Scameter+で怪しいサイトや電話番号を確認しよう。
- VPNとログ監視で安全なSNS環境を維持する。
<著者プロフィール>
Mr. イワミ
香港とアジアの文化に携わりながら、警備のプロとして安全を守る仕事をしています。施設やイベントの特性に合わせたセキュリティ計画を立て、リスクを未然に防ぐことに力を入れています。日本のきめ細やかな視点とグローバルな感覚を活かし、現場から管理まで堅実に対応。仕事の合間には街を歩いて周囲の状況を観察したり、新たな改善点を見つけたりしています。あなたの安全と目標を一緒に守るパートナーになれれば嬉しいです。

