MENU

【第8回】香港で、自分の価値を仕事にする—マキコの実録コラム

夫の香港駐在をきっかけに、自身のキャリアを再構築しようと決意したマキコさんの香港で個人事業主として奮闘する日々を綴る実録コラム。
海外で働くことに不安を感じている方、日本での経験が通用するのか悩んでいる方にとって、リアルな体験談はきっと参考になるはずです!

目次

第8回 筆ペン探しから始まった香港でのご縁

私がほんの少し勇気を出して、ブックフェアへの出演依頼というご縁ができたA社とのつながり。

そのきっかけは、こんな小さなことから始まりました。

香港ブックフェアについてはこちら!

筆ペンがどこにもない

香港に来て間もない頃、筆文字講師として活動するのに、最初につまずいたのが「筆ペンが買える場所がわからない」という、とても初歩的な問題でした。

日本なら文具店に行けばすぐ手に入る筆ペンが、香港ではどこに売っているのか全然わからない。家の近所を探しても文房具店がない。「えっ、どこで買えばいいの?」と、ひとりで途方に暮れていました。

今思えば、うちの近くにも文具店はあったんです。でも、その当時の私は、家から近くのスーパーを往復する通り道を見るくらいしか余裕がなく、脇道にそれると、家に帰れないかも、というくらいまだまだ地理が不安な頃。筆文字を教えたいのに、肝心の道具が手に入らないという、なんとも情けないスタートでした。

そんな時に思い出したのが、日系文具メーカーのA社の香港事務所がある、ということです。

「だったら、直接聞いてみよう」

そう思い立ちました。

Japanese speaker, please

とはいえ、私はその頃、英語もほとんど話せません。ましてや電話なんて、ハードルが高すぎます。けれど、日本の会社なのだから、日本人の方がいるはず、と勝手に思い込み、思い切って電話をかけました。

今考えるとかなり無謀すぎますが、その時はそれしか思いつきませんでした。

ドキドキしながらかけた、電話の向こうから聞こえてきたのは、いきなりの広東語。

ひゃ〜、英語すらできないのに、広東語って…と内心パニックになりながら、自分の名前と日本人であることを伝え、あとは「Japanese speaker, please」を連呼しました。

そうしてようやく出てくださった日本語の話せる方。その方はなんと!A社の香港事務所の社長さんだったんです。

ただ唯一、あの時やっておいてよかった~と思えることがありました。事前にA社の香港での情報をいろいろ調べて、社長さんのインタビュー記事を発見!お名前をチェックしていたことです。

「お名前をお伺いしてもいいですか?」

「〇〇です」

とおっしゃった時に、「〇〇さん、ってA社の社長さんですよね。お忙しい中、すみません、それはそれは大変失礼をいたしました…」とちゃんと言えました。

もし何の準備もしていなかったら、もっと失礼なことになっていたかもしれません。

そんな私に対しても、社長さんはとても穏やかに対応してくださり、「せっかくなので、仕事の話も詳しく聞かせてください。よかったら、ランチでもいかがですか?」と声をかけてくださったのです。

こうして、筆ペン探しから始まったご縁が、思いがけない形で動き出しました。

社長さんとのランチと文具店めぐり

A社の社長さんは、とってもいい方でした。事情もよく理解してくださり、

「筆文字講師として活動されるなら、いろいろコラボできることもあるかもしれませんね。ランチの際に、筆ペンをどこで買えるのかも紹介しますよ」

と言ってくださったのです。

そこでアポイントを取り、私はいそいそとA社へ行きました。社長さんとのランチは近くのCoCo壱番屋。日本から離れて数ヶ月、ちょうど日本のものが恋しくなっていた私には、めちゃくちゃうれしかったんです。しかも高級店ではなく、気楽に話せる感じだったのもGoodでした。

すっかりごちそうになり、その後は、ランチ場所の近くにある文具店を数軒、一緒に回ってくださいました。この店では、ここにあるんだよ、と、A社の取扱商品の場所まで教えてくれたり、この店は香港では他に〇〇と〇〇にあるよ、とか、一軒一軒、説明しながら売り場を案内してくださったのです。こうして、社長さんとのご縁がここから始まりました。

まとめ

  • 香港で筆ペン購入場所が分からず困惑
  • A社香港事務所を思い出し電話決意
  • 広東語対応に慌て「Japanese speaker」連呼
  • 応対したのはA社香港社長だった
  • 事前調査で社長名を確認し失礼回避
  • ランチと文具店巡りでご縁が始動

次回は、2026年2月13日公開予定です!

筆者プロフィール

中川麻紀子

東京生まれ。転校9回の子ども時代を通じて、人との関わり方や新しい環境への適応力を自然と身につける。飲食業や営業職を経て、チーズとワインの世界に魅了され、ソムリエとチーズプロフェッショナルの資格を取得。講師としても活動する中で、「伝えることの楽しさ」に目覚める。夫の香港駐在を機に退職し、未知の海外生活へ。語学が苦手で、仕事もない状況からのスタートだったが、奇跡の出会いをきっかけに、香港の人々とつながれる新たな仕事を見出して起業。現在、香港在住9年目。

  • 縁Joyアート® 代表
  • きらめく漢字アート海外認定校 代表
  • 友禅和紙クラフトインストラクター
  • 切り紙パステルアート®インストラクター
  • ワインソムリエ
  • チーズプロフェッショナル(チーズソムリエ)
  • 静岡英和学院大学非常勤講師(チーズ講座)

Instagram :  @studiomk85


香港では、ワーキングビザを取得した家族がスポンサーとなって「配偶者ビザ」を取得した人は、現地での労働が可能です。ただし、駐在員を派遣する企業によっては帯同家族の就労について取り決めがある場合もあります。当コラムを参考にされる場合は、ご注意ください。

過去記事はこちら!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

香港在住4年。プリンに乗ってるカラメルが好き♪

目次