2025年の香港は、台風や大雨による最上級の警報が相次ぎ、休校や出勤制限が多発する年となりました。
7月20日には台風6号ウィパーにより5年ぶりのシグナル10が発令。さらに7月下旬から8月中旬にかけて黒雨警報が5回発令され、年間最多記録を更新しました。
こうした現象は地球温暖化の影響を強く受けており、今後も大きな台風・大雨が訪れると見込まれます。そこで、本記事では、香港における台風・大雨に関する各警報の意味と、それに伴う行動ルールを紹介します。
台風シグナルって?香港の警報レベルを解説
香港に台風が接近した場合、香港天文台が台風警報「シグナル」を発令します。
シグナルは「T1」「T3」「T8」「T9」「T10」の 5段階あり、「1」が最も弱く、「10」が最大です。またこのあと何時間以内にシグナルの段階を引き上げる・引き下げるといった予告も発表されるので、帰宅や、台風の備え(窓の補強、屋外の片付け、買い出し)など次の行動をとる目安になります。
台風シグナル | 解説 |
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T1 | 注意喚起、香港の約800㎞圏内に熱帯低気圧が発生し影響が出る可能性がある。 |
T3 | 強風警報、強風に備えて準備、幼稚園は休園、船は欠航 |
T8 | 暴風警報、公共交通機関は運行停止、学校は休校、出勤停止、商店も臨時休業 |
T9 | 8よりも雨風がさらに勢力を増した状態、強い暴風警報 |
T10 | 台風(ハリケーン)警報、猛烈な風が吹き荒れ非常に危険な状態 |
雨の強さで変わる!香港の大雨シグナル
台風でなくても、降水量が多い場合には大雨のシグナルが発令されます。
大雨警報 | 解説 |
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黄雨(AMBER RAINSTORM) | 1時間に30ml以上の激しい雨 |
紅雨(RED RAINSTORM) | 1時間に50ml以上の激しい雨、学校や幼稚園は休み |
黒雨(BLACK RAINSTORM) | 1時間に70ml以上の非常に激しい雨、自宅待機 |
会社や学校はどうなる?悪天候時の行動ルール
「シグナル8以上」又は「ブラックレイン」が発令された場合、ほとんどの企業や学校は労工署(Labour Department)が発行するガイドラインに基づいて就業規則を定めているため、以下のような対応が一般的です。
- 出社前
- 管理職など重要なポストについている従業員を除き、出社は必要無い。
- 就業時間中
- 重要なポストについている従業員はその他の従業員を帰宅させるか、安全な場所で待機させる。
- 出社前に発令された警報が終業3時間前に解除された、あるいは引き下げられた場合
- 全ての従業員は解除から2時間以内に出社する。
※但し2019年の改定により解除後も公共交通機関が運休しているなど「極端な状況(Extreme Condition)」と政府が判断し発表した場合は、自宅で2時間待機できるようになりました。
- 出社前に発令された警報が終業3時間以内に解除された場合
- 重要なポストについている従業員以外は出社する必要は無い。
- 終業時刻になっても警報が発令されている場合
- 安全な場所で待機する。
香港の天気はこのアプリでチェック!
日本の気象庁にあたる香港天文台(Hong Kong Observatory)が、気象情報の発表や悪天候時の警報(シグナル)の発令を行います。
天文台の気象情報や警報はテレビのニュース、香港天文台のウェブサイトで確認できますが、香港天文台の公式アプリ「我的天文台(MyObservatory)」をスマホに入れておくと便利です。天気予報はもちろん、ユーザーが選択した場所の最新の気象情報を随時提供しています。

まとめ
- 天気情報は「香港天文台」やアプリで確認。
- 香港は蒸し暑くて雨が多い気候。
- 台風はT1〜T10のシグナルで警戒レベルを表示。
- 大雨も黄・紅・黒の3段階で警報が出る。
- 警報によっては会社や学校が休みになる。

悪天候時は人命第一で、安全な場所に避難し、不要不急の外出は控えましょう。