MENU

【第20回】ちょっと不憫な香港雑学集

目次

【第20回】運気を回す風車──沙田・大圍の車公廟

香港の旧正月と参拝文化

もうすぐ旧正月ですね。今年の初一(旧暦の元日)は2月17日。街にも赤い飾りが増え、正月用品の売り出しが始まり、香港独特の年末のざわめきが感じられるようになってきました。日本人にとっては、二度目のお正月のようで、少し得をした気分になる人もいるかもしれません。

日本で初詣をするように、香港でも旧正月にはお参りをする習慣があります。

車公廟の象徴的存在

その中でも特に有名で、多くの参拝客でにぎわうのが車公廟(Che Kung Miu)です。香港内にはいくつか車公廟がありますが、代表的なのが沙田・大圍にある車公廟で、旧正月の時期には一般市民だけでなく、香港政府関係者も参拝し、その年の香港全体の運勢を占う儀式(求籤)が行われます。まさに香港の年始を象徴する存在であり、香港有数のパワースポットとしても知られています。

Photo : Wpcpey CC BY-SA 4.0, via WikiPEDIA

車公の人物像と廟の歴史

車公は、中国南宋時代(12〜13世紀)の武将とされる人物です。モンゴルの侵攻から宋王朝を守るため、皇族を南へ逃がした忠臣として語られ、後世になると反乱鎮圧や疫病退散の霊験を持つ守護神として信仰されるようになりました。

沙田の車公廟が建立されたのは明代末期とされます。17世紀初頭、沙田一帯で疫病が流行した際、車公を祀る廟を建てたところ、廟の完成と同時に疫病が収束したという伝承が残っています。

現在の本殿と参拝作法

現在の本殿は1990年代に整備されたもので、中に入るとまず目に入るのが、高さ約11メートルに及ぶ巨大な車公像です。見上げるほどの大きさで、堂々たる存在感があります。

車公廟のご利益としてよく知られているのは、厄除け、疫病退散、そして運気の好転です。参拝には一定の作法があり、あらかじめ流れを知っておくと戸惑いません。まず境内にある太鼓を三回叩き、参拝に来たことを車公に知らせます(当日の人の流れによっては、参拝の後に叩く場合もあるようです)。

次に本殿へ進み、車公像の前で線香を捧げます。入口付近では、健康、長寿、財運など願い事にちなんだ線香が販売されており、目的に応じて選ぶことができます。火をつけてもらった線香を供え、心の中で自分の名前と願い事を伝えます。作法に迷う場合は、静かに手を合わせるだけでもいいでしょう。

金色の風車と参拝の意義

参拝のハイライトが、金属製の金色の風車です。前年の良い流れを引き継ぎたい場合は時計回りに、流れを変えたい場合は反時計回りに回すとされます。回数は一般的に三回が目安で、回しすぎは良くないとも言われています。

最後に、無事に一年を過ごせたことへの感謝を心の中で伝えて退出します。

車公の誕生日は旧暦1月2日とされますが、旧正月の期間は全体的に参拝者が多く、とくに正月三日目は赤口(口論や諍いが起きやすい日)にあたるため、親戚訪問を避けて厄除けや運気の調整を目的に車公廟を訪れる人が多くなります。

車公廟は願いを託す場所であると同時に、運気の流れを整える場所。新しい年の始まりに、これから一年の流れを整えるきっかけとして訪れてみるのもよいかもしれません。

日本とは異なる春節の文化で新年を楽しみましょう!

まとめ

  • 香港では旧正月に参拝習慣あり
  • 車公廟は沙田・大圍が代表的存在
  • 車公は南宋の忠臣で守護神化
  • 疫病退散伝承から廟が建立された
  • 巨大車公像と金色風車が参拝の象徴
  • 時計回りで継続、反時計回りで転換

次回記事は2月25日 公開予定です!

その他の記事はこちらから!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

香港生活20ウン年。年々クリーンに生まれ変わる香港で、いかがわしさとしたたかさの残り香をひっそりと嗅ぎ漁っています。

目次