MENU

【香港UPDATE】2025年11月25日

高市首相の台湾発言、日中交流に深刻な影

高市早苗首相が先の日(11月7日)の国会答弁で、台湾有事の際は「存立危機事態」に該当し得るとの発言をしたことを受け、中国側は、発言は「挑発的な武力威嚇」であるとして強く反発。外交ルートを通じて異例の強硬な撤回要求を続けています。

経済分野では、影響が特に顕著です。中国は11月19日、表向きは処理水問題を理由としつつ、日本産水産物の輸入手続きを停止しました。これは、対抗措置と見られています。また、中国側は国民に対し日本への渡航自粛を呼びかけており、各航空会社がキャンセル対応を受け付けを開始。インバウンド需要に依存する観光・小売関連の株価が急落。経済界に不安が広がっています。

香港でも、在香港日本国総領事館は、香港政府高官との公的な面会がキャンセルになるなど、香港側からの交流停止の動きが始まっていることを明らかになっています。香港行政長官の李家超氏も日本の指導者を名指しで批判しており、香港政府が対日外交政策において中国本土と完全に歩調を合わせている姿勢を示しています。

企業交流・文化交流においても、11月開催予定だった「東京―北京フォーラム」を含む、数十件の日中合同イベントや日本人アーティストによるコンサートが、中止または延期に追い込まれています。

香港で発表されたキャンセル案件

  • 高官級の面会のキャンセル:
    • 香港政府側から、経済政策担当の高官と三浦潤・駐香港総領事による12月上旬の面会をキャンセルしたいとの連絡があったとされています。
  • 香港企業交流活動の延期:
    • 香港投資推廣署(InvestHK)が11月18日に開催予定だった日本と香港企業との交流活動について、香港側から日本総領事館関係者の欠席が提案され、その後、双方の協議によりイベント自体が延期されました。
  • 香港警務高層のイベント欠席:
    • 香港警務高層が、日本駐香港総領事館が計画する12月中旬のイベントへの出席を予定していましたが、両国関係悪化を理由に欠席する旨を伝えました。
  • テレビアニメの放映中止:
    • 香港のテレビ局RTHKにて11月から放送が開始されたばかりのテレビアニメ『はたらく細胞』の放映が急遽中止されました。
  • キャセイ航空による日本路線フライトの変更措置導入:
    •  キャセイ航空(Cathay Pacific)は11月19日、中国政府の渡航警告を受け、日本行きのフライトについて、手数料なしで旅行日程や目的地を変更できる特例措置を発表しました。この措置は、11月18日以前に発券された12月31日までの出発便に適用されます。
  • 渡航に関する注意喚起:
    • 香港政府は既に、香港人に対し、日本への渡航の際には安全に注意するよう呼びかけています。

香港の10月訪問者 前年比12%増

香港政府観光局(HKTB)は11月17日、10月の暫定訪問者数が約460万人に達し、前年同月比で12%増加したと発表しました。

特に非中国本土からの訪問者は113万6,347人を記録し、前年比19%増と大幅な伸びを見せました。市場別では、台湾、オーストラリア、中東からの訪問者の増加が顕著であったとのことです。

また、今年1月から10月までの累計訪問者数も約4,100万人となり、前年同期比12%の増加を記録しています。このうち、中国本土からの訪問者は3,143万8,051人(11%増)、非中国本土からは962万2,112人(16%増)となっています。

香港中環に「Central Yards」27年開業へ

恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド)は11月18日、香港・中環(セントラル)のハーバーフロントにおいて、最大規模の複合開発プロジェクト「Central Yards」を発表しました。第1期は2027年、第2期は2032年の開業を予定しています。

「The Bridge」をコンセプトに掲げた本施設は、総床面積160万平方フィート超を誇り、セントラルの最長建築物に。設計には、ロンドンのAL_A(アマンダ・レヴェテ氏率いる)、オランダのUNStudio、香港のLead8、カリフォルニアのPWP Landscape Architectureなど、国際的な設計チームが参画しています。セントラル最大級のスカイガーデンや、1,100席超のブロードウェイ水準の劇場を導入し、新たな金融・文化のハブを目指します。第1期オフィスエリアは既に7割以上が成約済みです。

よかったらシェアしてね!
目次