メディポートCTO 堀眞
藤田医科大学卒の臨床検査技師。日本医科大学付属病院で勤務後、青年海外協力隊としてソロモン諸島でマラリア対策に従事。帰国後は巡回健診事業の会社に就職し、香港へ赴任。1999年にメディポートを設立し、健康診断・医療相談サービスを展開。香港の医師グループと提携し、地域の健康管理に貢献している。
【第6回】忘れちゃいけない乳がん自己検診
このところ乳がんの治療成績が格段に向上しており、5年生存率はもちろん10年生存率もとても高くなっています。
早期発見ができれば完治できるがんだとも言えるようになりました。
これは診断技術や治療法が良くなっているからだけではなく、乳がんに対する関心が高くなり、自己検診を行う人が増えたからです。


Breast Awareness(乳房を意識する生活習慣)
Breast Awareness(乳房を意識する生活習慣)という考え方が広まっています。自分の乳房に関して普段から関心を持つことが大切で、その中に自己検診を取り入れることで早期乳がんの発見をより容易にできるのです。
Breast Awareness(乳房を意識する生活習慣)参考リンク
- ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)のすすめ | 乳がん検診の適切な情報提供に関する研究
- 乳がんを早期発見するための「ブレスト・アウェアネス」|東京都保険医療局
日常的な自己チェックを心がけよう
自己検診は費用も掛からず自分でできる上に、たとえがんが発見されても完治の可能性が高いので、やらないという選択肢はありません。
毎月一度だけで十分です。生理がある人は、生理が終わって5-7日ごろに、生理がない人は定期的に日を決めて行って下さい。まず上半身裸になって鏡の前に立ちます。両手を下げた状態、そして上げた状態で乳房のかたちを見ます。引きつれなどの異常がないか確認して下さい。えくぼなどありませんか?乳頭をつまんで血性の分泌物がないかどうかも確認してください。
次は仰向けに寝ます。腕を上げた状態で反対側の手指の腹で乳房の内側を、指の位置をずらしながら軽く圧迫していきます。乳房の外側をチェックする場合は腕をおろした状態で、同様に指で圧迫します。さらに脇の下に手を入れて異常の有無を確認しましょう。
何か不安があれば放置せず病院へ
自己検診で、しこりなど見つけたとしても即座にがんを心配する必要はありません。自分で見つけた異常ががんである可能性はまだ低いからです。たとえがんであったとしてもごく早期である可能性が非常に高いので心配は無用です。何か異常を見つけたら、必ず病院で確認してください。
昔は厄介ながんでしたが、現代では決して怖いがんではなくなりました。ただし、やることをきちんとやっておくことが大前提であるのは言うまでもありません。

定期健診ではマンモグラフィ検査をぜひ選択して!
まとめ
- 乳がんの生存率が大幅に向上
- 自己検診が普及し早期発見に貢献
- Breast Awarenessの習慣を推奨
- 毎月1回の自己検診が理想的
- 異常発見後は必ず病院へ相談
- マンモグラフィ検査も定期的に
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