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【第2回】あなたの健康を守りたい!オヤジからのアドバイス

メディポートCTO 堀眞
藤田医科大学卒の臨床検査技師。日本医科大学付属病院で勤務後、青年海外協力隊としてソロモン諸島でマラリア対策に従事。帰国後は巡回健診事業の会社に就職し、香港へ赴任。1999年にメディポートを設立し、健康診断・医療相談サービスを展開。香港の医師グループと提携し、地域の健康管理に貢献している。

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【第2回】旨味が魅惑の加熱用牡蛎!

カキフライに「生食用」は正しい選択?

 前回は生牡蠣と食中毒についてのお話でした。特に日本の生牡蠣は安全性が高くなっているとはいえ、やはり食中毒を完全に避けることは非常に難しいものです。もちろん加熱すれば100%の安全性が保障されるわけですが。

 さて、今回は加熱調理に使う牡蠣のお話です。代表的な牡蠣料理のひとつカキフライですが、たまには自分で揚げてみようとする人もいることでしょう。新鮮な牡蠣の方がおいしいと思って「生食用牡蠣」を選ぶ人がいるようですが、果たしてこれは正しい選択なのでしょうか。

生食用・加熱用は牡蠣の体内の細菌数によって区別

そもそも生食用牡蠣と加熱用牡蠣の違いは何か。これは牡蠣の体内の細菌数(大腸菌数、ビブリオ菌数、一般細菌数)に基準があって、それをクリアしていれば生食用と表示しても良いということになっているのです。決して新鮮というだけで生食に向いているというわけではありません。

加熱するなら旨味たっぷりの加熱用牡蛎を!

日本の生食用牡蠣は無菌処理としてオゾン殺菌、紫外線殺菌、更には次亜塩素酸処理などが行われており、確かに安全性は高いものの、処理の影響で身が痩せたり水っぽくなったりするなど、旨味に欠けたものとなるようです。生牡蠣の安全性を担保する代わりに、味を犠牲にしているともいえます。したがってカキフライには加熱用牡蠣を使うべきですね。

では、加熱用牡蠣を生食すると危険かというと、これは確かに食中毒のリスクは高くなります。

しかし、両者の生育している海域にはほとんど違いはないことを考えると、リスクを無視できれば、きっと生食用よりも美味しいのでしょう。もちろん決してお勧めはできません!少なくとも牡蠣に限っては、鮮度が落ちているという理由で加熱用とされるわけではないと覚えておきましょう。

生産地を知ることも、食中毒リスク回避のポイント

有名な牡蠣の産地でも、地元では生カキを食べないというところもあるそうです。生牡蠣を食べる時は、無菌化処理がされていない牡蛎、特に日本産以外の牡蠣などは、その産地の情報も調べておくと、少しは食中毒のリスクを下げられるかもしれません。

メディポートCTO 堀眞

リスクを知って、美味しく安全な牡蛎食を!

まとめ

  • 加熱すれば100%食中毒のリスクが防げる。 
  • 生食用・加熱用の違いは、細菌数で決まる。 
  • 生食用は殺菌処理で安全性を確保する。   
  • 加熱用を生食は避ける。 
  • 日本以外の生食用牡蠣は産地の衛生基準の確認もアイデア。

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この記事を書いた人

香港大好き20余年。マラソン超遅ランナー

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