モルックとはフィンランド発祥のスポーツ。
木の棒を投げて木の棒を倒し、先に50点取った方が勝ち。
ボーリングとダーツを合わせたようなスポーツ、と言われています。
激しい動きを必要としないので、子供からお年寄りまで、年齢や性別を問わず楽しめるユニバーサルスポーツです。
【第18回】正体が明かに⁉謎の鬼強シニアモルッカ―集団
さて、前回の続きで、「隠れ里に住む謎の鬼強シニアモルッカ―集団」について書きたいと思います。
前回記事はこちら

いざ隠れ里たる練習場へ
Toyo氏から話を聞いた約一週間後、早速そのシニアモルッカ―たちに会いに行ってきました。
待ち合わせ場所として指定されたシェッキヤムショッピングセンター(石蔭商場)は、確かに山に近く、長い坂の途中にあるものの、付近には意外に店舗が多かった。
以前、シェッキレイ(石籬)の公営住宅でモルック体験会を開催したことがあり、そこは急坂のどん詰まりですぐ迫っている山からサルやイノシシが出て来ても違和感ないぐらいだったが、こちらは人通りや車の往来も多く、正直「隠れ里」感はほぼ無い。ちょっと拍子抜けである。

初対面!謎のシニアモルッカ―集団
ショッピングセンター内のマグドナルドで時間を潰していると、やがてToyo氏が現れた。
挨拶もそこそこに、早速シニアモルッカ―たちが待つ場所へ連れていかれる。
何でも、そのショッピングセンターに隣接している公営住宅の敷地内で、彼らは練習しているとのこと。
慣れた様子ですたすた歩くToyo氏についていくと、マンションの棟と棟に挟まれた幅5mぐらいの通路の先に、お年寄りたちの集団が見えた。
どうやら彼らが、目的の人物たちのようだ。
「ハローハロー!」
笑顔でバカっぽく、100%外国人アピールの挨拶から始める。
笑顔で挨拶。これは海外の人と仲良くなる基本である。
これさえやっておけば、現地語がしゃべれなくともだいたいは何とかなるものだ(と個人的に思っている)。
ついに明かされた正体
シニアモルッカ―たちは、全員で6人。
「おー、Toyoからは聞いていたよ、よく来てくれたな」とスポークスマン的な立ち位置のMr Dorcusこと戴さんが笑顔で迎え入れてくれた。握手をして戴さんの顔をよく見ると、あれ?どこかで見たような…?
「あれ、あの…、どこかでお会いしてないでしょうか…?」
と恐る恐る尋ねると、彼も怪訝そうな顔になり、私の顔を見つめだす。
そこでお互いほぼ同時に思い出した。
「あ、シェッキレイ(石籬)だ!!」
どうやら、冒頭で述べた以前シェッキレイにて開催した体験会で顔を合わせていたようだ。
その体験会には20人程度来ていたのだが、その中に戴さんがいたのだ。
「あんた、確か女性と来てたよね?」と言われたので、一瞬良からぬ疑惑をもたれているのかと思ったが、確かにその体験会には妻と参加していた。
帰宅してから妻にこの話をしたところ、その日は試合形式の体験会だった為、戴さんと妻は同じチームに振り分けられていたらしい。
戴さんの写真を見せたら、間違いなく同じチームだったよ、とのこと。

未知を求めて、既知に出会う
フタを開けてみれば、謎でも何でもない、既に接触済みのモルッカ―達であったことに、香港モルックシーンに通じていることを自負する私は、ちょっと安堵を覚えた。
香港のモルックに関わるようになって以来、かなりのモルック関連イベントに顔を出して、香港内のモルッカ―と交流を深めてきた。
さすがに知らない訳が無かったのだ。
ただ、正直なところを言うと、僅かながら残念な気持ちがあったのも事実だ。
やはり、心のどこかでは、本当に未知のとんでもないモルッカ―に出会ってみたかったのだ。
とは言え、戴さんといろいろ話してみると、その内容は確かに驚くべきものであった。
強固な補強、迫力あるスキットル
「今日は6人しか来ていないが、通常は10人以上集まる」
「3年間雨の日以外はほぼ毎日モルックをやっている」
「3年間同じモルックセットを使い続けている」等々。
中でも驚いたのが、三年間使い続けているというモルックセットである。
前回の記事でも書いた通り、Toyoさんからは、「破損防止目的でスキットルがテープでぐるぐる巻きにされている」と聞いていた。
事前に見せて貰った画像でもそのように見えていたのだが、実物はもっと迫力がすごかった。
スキットル全体が銀色のテープで幾重にも巻かれており、ものすごい補強がなされている。
しかし、数字の書いてある部分だけは透明のテープになっており、数字がハッキリと目視できるよう工夫もされている。
更にモルック棒もテープでぐるぐる巻きにされているのだが、こちらは棒の両端だけが厚めに巻かれており、接地した際の衝撃は、補強が頑丈な両端のみで受け止めるような構造になっている。

過酷な環境を乗り越える知恵と工夫
彼らが普段プレーしている場所は、コンクリートのブロックが敷き詰められた本当にカチコチのハードコートである。
正直言ってモルックをやる環境ではない。補強無しではスキットルもモルック棒もあっという間に傷んで破損してしまうだろう。
しかし、シニアならではの工夫で、この過酷な環境下で3年間も同じモルックセットを使い続けているというのにはとても感心した。
恐らく、定期的にテープを新しく巻きなおすなどのメンテナンスも欠かさないのだろう。

シニアモルッカー勢の実力
そして、肝心の実力だが、確かに皆さん、なかなかの腕前である。
さすがに9m、10mを放物線を描く投擲で直当て、という感じではなかったが、5mや6mの中距離であればかなりの精度で当ててくる。
特に、慧さんという女性は順手の中距離や、「ふわり」と呼ばれるロブショットがかなり正確で目を見張った。
距離感覚が抜群なので、彼女はシングルスの大会に出ても入賞できるだろう。
戴さんは何故か縦投げしかしないのだが、とても80歳過ぎとは思えない力強く正確な投擲で中距離を打ち抜いていた。

奇跡の90歳代モルッカー、ラムさん
そして、忘れてならないのが、92歳になるというラムさん。
このラムさんともシェッキレイの体験会で出会っており、その時はただのお年寄りとしか思わなかったのだが、それもその筈、とても92歳には見えないビジュアルなのだ。
小柄ではあるが、背筋がピンと伸びており、動きも矍鑠。
更に細身のジーンズまで穿きこなしており、その外見からラムさんの年齢を当てられる人はいないであろう。
ある意味奇跡の92歳である。そして、モルックもかなりの実力である。
順手で中距離を確実に当ててくるし、時には縦投げで一本抜きにも成功していた。
彼は世界一上手い90歳代モルッカ―の可能性がある。


証明された「鬼強い」その実力
皆さん3年間ほぼ毎日練習しているというのは伊達では無かった。
遠投については、ゴロで投げて、それがたまたま当たるというパターンが多かった印象なので、やはり若いプレイヤーとは比べられない部分はあるが、シニアの大会に出れば上位入賞間違いないメンバーばかりであった。
彼らはなぜかシングルの試合しかせず、それも7人や8人で同時にプレーするので、非常に特殊な試合になってしまうのだが、この日、トータルで10ゲーム近くはやっただろうか、その内我々日本人(Toyo氏と私)は一回しか勝てなかった。
結果的にも彼らが「鬼強」であることが証明されてしまった。
シェッキレイの体験会の際は、他の参加者の指導に忙しく、あまり彼らのプレーに注意を払っていなかったのだが、全くもってお恥ずかしい話である。
隠れ里の正体は心温かい仲間
ということで、「隠れ里に住む鬼強シニアモルッカ―集団」は、隠れ里にこそ住んでいなかったが、確かに鬼強なモルッカ―達であった。
そしてまた、訳の分からない奇妙な外国人を快く受け入れ、一緒に練習させてくれるとても心の温かい方々でもあった。

という訳で、モルックをしていると、いろいろな出会いがあり、世界が広がっていきます。
これもモルックの醍醐味の一つ。若干言葉の壁はありますが、モルックという軸があれば、コミュニケーションは何とかなるものです。
皆さん是非一緒にモルック棒を投げましょう!
12月14日開催「香港オープン」
さて、最後に大会のお知らせ。

香港最大のモルック大会である「香港オープン」が12/14(日)に開催されます。
この大会は国際大会となっており、海外からもモルッカ―たちがやってきます。
既に有名モルッカーの来港も決まっており、盛り上がること必至!
試合方式は1チーム2名~4名の団体戦です。規模は小さいですが、物販も予定されております。
香港最大のモルックの祭典へのご参加、是非ご検討下さい!!
鈴木練習参加については鈴木まで連絡下さい。
kameidoshoten@gmail.com
まとめ
- シェッキヤム公営住宅で練習するシニア集団
- 3年間ほぼ毎日モルックを続ける強者たち
- テープ補強で同じセットを3年間使用
- 中距離投擲の精度が高く鬼強シニア勢
- 92歳ラムさんは奇跡的な実力者
- 香港最大大会「香港オープン」12/14開催
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基本情報


- お問い合わせ:kameidoshoten@gmail.com













