香港からの訪日 7月は前年同月比37%減
2025年7月の訪日外客数は、日本政府観光局(JNTO)の発表によると343万7000人で、前年同月比4.4%増となり、7月として過去最高を記録しました。一方、香港からの訪日客数は前年同月比36.9%減の17万6000人と大幅に減少しました。これは「7月に日本で地震が起こる」といううわさがSNSで拡散されたことに加え、台風の接近も影響したとみられます。韓国でも同様のうわさが広まり、10.4%減となりました。中国や台湾、シンガポールなどは増加または微減にとどまっており、香港の落ち込みが際立ちました。

偽ブランド水で政府契約「鑫鼎鑫事件」
香港の飲用水供給業者「鑫鼎鑫商貿有限公司」が、政府との契約をめぐり詐欺容疑で注目を集めています。2025年3月、政府物流署が樽装飲用水の供給業者を募集し、同社が契約を獲得しました。6月から「樂百氏(広東)飲用水有限公司」製と称する水を供給していましたが、8月初旬に樂百氏側が「取引は一切ない」と否定する書簡を提出したことから、政府は契約を即時停止し、警察に通報しました。
その後、鑫鼎鑫の取締役と株主とされる夫婦が詐欺容疑で逮捕され、元朗の倉庫から約2,600本の飲用水が押収されました。警察と海関の合同記者会見では、水が東莞の水工場から物流会社を通じて香港に輸送されていたことが判明しています。政府化驗所の検査では飲用可能とされましたが、供給元の表示が虚偽である可能性が高いとされています。
さらに、逮捕された夫婦には過去の詐欺歴があり、食環署からは「未登録の食品輸入業者」として告示も出されていること、また「ワトソンズ」の提示価格に比べて20 %も割高であったこと、流通経路が不明瞭な点などが発覚し、政府調達制度の審査体制や食品表示の信頼性に疑問を集める事件となっています。
📊 鑫鼎鑫事件・事件の時系列と概要
日付 | 出来事 |
2025年3月 | 政府物流署が樽装飲用水の供給業者を募集。鑫鼎鑫が契約を獲得。 |
2025年6月 | 鑫鼎鑫が「樂百氏」製と称する飲用水を政府に供給開始。 |
2025年8月初旬 | 「樂百氏」が鑫鼎鑫との取引を否定。政府が契約停止・警察に通報。 |
8月17日 | 鑫鼎鑫の取締役夫婦を詐欺容疑で逮捕。元朗倉庫で約2,600本の水を押収。 |
8月18日 | 警察と海関が合同記者会見。水の供給元は東莞の水工場と判明。 |
九龍塘の私立中 名義貸し発覚で廃校に
香港・九龍塘の私立中学校(日本における高校も含む)「一諾中学」は、中国内の生徒に香港の学籍を提供する「名義貸し」を行っていた疑いが報道により明らかになりました。特に、国際大会で香港代表として出場した生徒が、実際には深圳に在籍していたことから、学籍の重複が発覚しました。
この事件をきっかけに、校長が教育局の承認なしに保護者から高額な建校費を徴収していたことが判明しました。また、校舎の賃貸契約に関する未払い問題や、関連学校での不法就労疑惑など、教育界全体に波及する問題が次々と明るみに出ています。
このような名義貸しが起きた背景には、香港の大学入試制度「HKDSE(香港中学文憑試)」の特性があります。HKDSEは、香港の大学に進学するための主要な試験であり、中国内の高考よりも科目選択の自由度が高く、英語力が重視される傾向があります。そのため、中国内の一部保護者は、香港の学籍を取得することで、子どもに有利な進学ルートを確保しようとする動きが見られます。
📋 事件の時系列と概要
日付 | 出来事 |
2024年3月 | 深圳の男子生徒が一諾中学に転校(実際は深圳校に在籍) |
2025年7月 | 同生徒が国際物理オリンピックで金メダル獲得、香港代表として報道される |
2025年8月11日 | 教育仲介業者による「香港学籍取得」宣伝が報道され、名義貸し疑惑が浮上 |
同日 | 校長が教育局の承認なしに建校費(20万HKD)徴収していたことを認める |
2025年8月12日 | 教育局が学校登録申請を却下、校舎は既に空き家状態 |
香港各地で「2025年盂蘭勝會」
「2025年盂蘭勝會」(香港盂蘭勝會協会) 2025年の盂蘭勝會は、8月3日(旧暦七月初十)から月末にかけて、香港各地で順次開催。旺角や深水埗などでは、神壇設置、施食儀式、神功戲の上演などが行われ、地域ごとに特色ある供養行事が展開されています。
