メディポートCTO 堀眞
藤田医科大学卒の臨床検査技師。日本医科大学付属病院で勤務後、青年海外協力隊としてソロモン諸島でマラリア対策に従事。帰国後は巡回健診事業の会社に就職し、香港へ赴任。1999年にメディポートを設立し、健康診断・医療相談サービスを展開。香港の医師グループと提携し、地域の健康管理に貢献している。
【第7回】男だってやろう、がん自己検診
誰もが自分自身でいつでも気軽にがんの検査を行えるのが自己検診です。
女性の乳がんの自己検診は特に良く知られており、その関心の高さから乳がんの治療成績の向上にも大きく貢献しています。ところで乳がんほど罹患頻度は高くないものの、男性の精巣がんも比較的簡単に早期発見できるので、ぜひ自己検診を行って欲しいものです。
年代ごとのリスクについて
精巣がんは若年層に多いがんですが、罹患率は10万人にひとり程度で全体としては稀ながんといえます。ただし20歳代から30歳代で最も多いがんであり、若い人にとっては気にしておいて損はないはずです。
この年代はほかのがんの罹患率が極めて低いので精巣がんが最も目立つがんになりますが、40歳代以降でもほかのがんが目立ってくるだけであって、精巣がんの罹患率が低下するわけではありません。多くの男性にとって一定のリスクがあると思って間違いありません。
入浴時にリラックスして自己検診を
精巣がんの自己検診は入浴時に行うのが理想的です。もちろんシャワー中でもかまいませんが、リラックスした状態で行って下さい。睾丸を優しく触って、腫れがないかを確認します。通常、左右の睾丸の大きさは違っていても良いのですが、その変化に敏感であるべきです。さらに定期的にチェックしていれば表面の状態などがいつもと違うといった小さな異状に気付きやすいものです。
自分の体を気にかけることが健康への第一歩
精巣がんはおとなしいタイプのがんであり、自己検診で発見できれば完治が可能です。また進行もゆっくりとしたものなので、早期発見できるチャンスも大きいといえます。精巣がんの自己検診は医学界での推奨が特にあるわけではありませんが、コストゼロでいつでもできる利点は決して無視できません。
しかももしがんが見つかれば儲けもの。自己検診が推奨されるのは乳がんくらいかもしれませんが、皮膚がんなども自分で発見することが可能です。これらのがんに限らず、自分の身体を時々気にかけてやることは健康を維持するためにとても大切なことです。


自分の体を知ることから始めよう!
まとめ
- 自己検診は誰でも気軽にできるがん予防
- 精巣がんは若年層に多い
- 40代以降もリスクあり、年齢問わず注意
- 入浴時に睾丸を優しく触れて異常を確認
- 早期発見で完治が可能ながん
- 自己検診は男性にも有効
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