香港のIPO資金調達額、過去最高の見込み
香港株式市場の2026年のIPO(新規公開株式)の資金調達額が過去最高の約5000億香港ドル(約10兆円)に達するとの予測があることが明らかになりました。これは大手会計事務所のKPMGが予測したもので、中国本土と香港の両市場に上場する「A+H」銘柄と専門技術を保有する企業が香港のIPO市場の勢いを牽引していると指摘しています。
香港市場には今年に入って第三四半期までに116銘柄が新規上場し、市場から3880億香港ドル(約7兆8000億円)あまりを調達しました。これは昨年同期の2倍以上で過去最高額でした。KPMGによると、IPOによる一年間の集資額は、2010年に過去最高を記録した4270億香港ドル(約8兆6000億円)を上回り、約5000億香港ドル(約10兆円)に迫る勢いだそうです。
中でも「A+H」銘柄が多く、同期間中に上場した38の「A+H」銘柄の調達額は前年同期よりも180%以上増えました。また、調達額は香港のIPOによる調達総額の約7割に達しており、国際化を目指している中資系企業にとって、香港市場が重要なプラットフォームであることを浮き彫りにしました。
業種でみると、調達総額の半分以上が、人工知能(AI)、半導体、ロボティクスといったハイテク分野の企業だそうです。
KPMGは、「A+H」銘柄企業、テクノロジー企業やその他のニューエコノミー関連企業が来年もIPO市場のけん引役になると指摘しています。
(執筆:野上如月)
「M+」などがある西九龍文化区、赤字拡大
美術館「M+」などがある西九龍文化区の整備や運営を担う西九龍文化区管理局は、2025/26年度の運営赤字が9億9800万香港ドル(約201億円)となり、前年度の7億6900万香港ドル(約155億円)から約30%拡大したと発表しました。香港政府が2008年に西九龍プロジェクトへ拠出した216億香港ドル(約4400億円)の資金は2026/27年度中に全て使い果たすことが見込まれ、今後の地区運営が注目されています。
同地区には「M+」や故宮博物館などがあり、年間来訪者数は1700万人を超えるなど、集客面では成果が見られました。チケット販売や企業スポンサー収入は増加しましたが、施設の維持管理費や人件費の増加、舞台芸術施設となる西九龍演芸中心の開業準備のための支出拡大などで赤字が増大したそうです。
管理局は、来年完成予定の同地区初のオフィスプロジェクトや、2027/28年度に入札予定の住宅やホテルなどのプロジェクトによって収入源が多様化していくことを強調。収益は今後大幅に改善していく見込みだとしています。
しかし香港メディアは、赤字が拡大するなかで管理職の高額報酬を批判する声も伝えています。2024/25年度の管理局幹部9人の報酬総額は、前年度比4.6%増の約3933万香港ドル(約7億9000万円)でした。實政圓桌の代表者で立法会前議員の田北辰氏は、馮程淑儀行政総裁の報酬600万香港ドル(約1億2000万円)は香港政府トップの李家誠行政長官よりも高いことなどをあげて、経営陣は率先して少なくとも3割の減給を行い、経費削減の姿勢を示すべきだと述べています。
西九龍文化地区の文化施設や芸術活動を管理・運営する法的機関の今後の事業運営展開に、市民の注目が集まりそうです。
(執筆:野上如月)
新皇崗口岸が開通 通関効率向上
香港と深圳を結ぶ新皇崗口岸(イミグレーション)が10月12日午前6時30分に正式開通し、24時間体制での通関サービスを開始しました。これに伴い、30年以上にわたり両地の往来を支えてきた落馬洲口岸と旧皇崗口岸は運用を終了し、その歴史に幕を下ろしました。
香港特区政府によると、開通初日の午後5時までに入境者数は20,201人、出境者数は22,011人となり、合計42,212人が新皇崗口岸を利用しました。車両は入境2,713台、出境2,995台の計5,708台が通過しました。旧皇崗口岸の9月の月曜日平均と比較すると、出入境者数は2倍以上に増加したことになります。
新口岸では香港と深圳の手続きを一体化した「合作査験」システムを導入。従来約10分かかっていた車両の検査手続きは約2分に短縮され、旅客も自動ゲートを利用してスムーズに通関できるようになりました。
政府は重陽節連休を控え、公共交通機関や案内体制を強化して対応しており、新皇崗口岸は港深間を結ぶ新たな玄関口として期待を集めています。
中国「可霊AI」 来年香港市場に上場か
中国の大手動画会社、快手科技傘下で、動画生成AI(人工知能)プラットフォームの「可霊AI(Kling AI)」が2027年に香港での株式上場を目指して準備をしていることが明らかになりました。
ブルームバーグが関係者の話として伝えたもので、少なくとも10億米ドル(約1580 億円)の資金調達を目指して、中金公司(CICC)、ゴールドマン・サックス、UBSと協力して新規公開株式(IPO)の準備を進めています。
動画生成モデル「可霊 AI」は2024年に公開されました。ユーザーの入力プロンプトに基づいて動画やショート動画を生成できるプラットフォームです。世界でのユーザー数は2026年6月時点で、2025年末より約67%増えて1億人を超えました。対象地域は224の国と地域に及び、企業顧客は約5万社に上ります。
可霊は7月に、アリババ、テンセント、百度といったテクノロジー大手企業から約28億米ドル(約4400億円)の資金を調達し、企業評価額を約180億米ドル(約2兆8500億円)に拡大しました。投資銀行らとの協議は現在も継続中で、募集規模や時期は変更される可能性があります。
(執筆:野上如月)
Z世代、アート支出額で首位に
スイス金融大手UBSとアート・バーゼルが共同実施した「グローバル・アート収集動向調査2026」によると、富裕層のZ世代が美術品購入額で他世代を上回り、アート市場をけん引する存在となっていることが明らかになりました。調査は香港、日本、中国本土、米国など10市場の富裕層3,100人を対象に実施されました。
調査では、Z世代のアート支出額が2025年から2026年前半にかけて全世代で最高となり、100万米ドル超の作品を購入したコレクターの約半数を占めたといいます。さらに、購入前に独自調査を行う割合は80%に達し、他世代を上回る積極的な情報収集姿勢も示されました。
また、コレクションを始めるきっかけとして「家族」の影響を挙げる人が多く、Z世代ではその割合が40%に達しました。作品の希少性や独自性を重視する傾向も強く、AIやアプリなどデジタルツールを活用して情報収集する動きが広がっています。
調査結果は、アジア市場を中心に若年富裕層の存在感が高まるなか、アート市場の世代交代が進んでいることを示しています。
高齢者虐待 ヘルパーの労働環境に注目
香港・啓徳の公営住宅「徳朗邨」で発生した93歳女性への虐待・殺人事件をめぐり、逮捕された52歳のインドネシア人ヘルパーの労働・生活環境に関心が集まっています。報道によると、このヘルパーは被害女性宅で約3年間勤務しており、毎週の休暇は半日のみで、休みの日程も一定ではなかったとされています。
警察は、長期間にわたる介護による負担や、日常生活の中で積み重なった摩擦が事件の背景にある可能性を示しています。
また、現場となった住居は約150平方フィート(約14平方メートル)の1室で、独立した寝室がなく、リビングなどを共有する狭い生活環境だったといいます。近隣住民からは、室内が手狭で雑然としていたとの証言も伝えられています。
香港では外国人ヘルパーに対し、原則として7日に1日の休息日を与えることが雇用契約上定められています。今回の事件を受け、高齢者介護を支える外国人ヘルパーの労働環境や介護支援体制の在り方について、改めて議論が広がりそうです。
香港初のハロウィーン月間始動
香港政府観光局は10月、初の大型観光キャンペーン「香港ハロウィーン・マンス」を開催すると発表しました。香港各地で約1カ月にわたり、仮装パーティーや特別イベントを展開します。
期間中は、中環、啓徳、蘭桂坊、旺角、尖沙咀などの人気エリアでストリートパーティーやDJイベント、仮装カーニバルを開催。香港のローカル文化やポップカルチャーを取り入れた演出も予定されています。
また、香港ディズニーランド・リゾートや香港オーシャンパークでも恒例のハロウィーンイベントを実施。さらに、仮装した来場者を対象に、ハロウィーン仕様のオープントップバスや特別装飾のトラムへ無料乗車できる企画も行われます。








香港駅に白花油ポップアップ登場
MTRの「香港故事2.0」プロジェクトの第1弾として、香港の老舗ブランド「和興白花油」の期間限定ポップアップストアが香港駅にオープンしました。会期は約6カ月で、同ブランドとして香港初のポップアップ店舗となります。
店内は白花油を象徴する緑と白を基調としたレトロなデザインにネオン演出を組み合わせ、写真撮影スポットとしても楽しめる空間となっています。会場では、新たなロールオンタイプの商品に加え、100周年記念マグカップや腕時計、キーホルダー、クッション、トートバッグなどの限定グッズも販売されます。
また、香港のGen-Z世代向けローカルブランド3社とのコラボレーションも実施。ファッションブランド「GROCERY」による限定アパレルシリーズや、「TEAM GREEN」による生活雑貨などが展開されます。
さらに、店内で商品を購入した来場者は、オリジナルのフィジェット(ストレス解消)キーホルダーを制作できるDIYコーナーに参加可能。香港を代表する老舗ブランドと新世代クリエイターのアイデアが融合した、体験型スポットとして注目を集めそうです。

倉田保昭『夢物語』香港の映画際で上映
アクション俳優として60年以上にわたり第一線で活躍を続ける倉田保昭さん主演のオムニバス映画『夢物語 The Living Dragon』が、「Hong Kong Asian Film Festival 2026」に正式招待され、香港で国際プレミア上映されることが決定しました。上映は11月5日19時40分、11月15日13時30分に、油麻地のBroadway Cinemathequeで行われます。
本作は80歳を迎えた倉田さんが、自身の歩みと信念を重ね合わせながら製作した意欲作です。“挑戦する心は年齢を超える”をテーマに、日本と香港を舞台とした3つの物語で構成され、夢を追い続ける人々の姿を描いています。監督には坂本浩一さん、谷垣健治さん、下村勇二さんが名を連ね、倉田さんのほかサモ・ハンさんら豪華キャストが出演しています。



