第5回:2025年、求職者は香港を飛び出す?大湾区・海外勤務の可能性
「次のステージは香港の外?」広がるキャリアの選択肢
香港でのキャリアに限界を感じたとき、次の選択肢として浮かぶのが「海外勤務」や「大湾区(GBA)での就業」です。JobsDB発表の「HK Jobseeker Salary Report 2025」によると、回答者全体の35%が海外勤務に関心を持っていることが明らかになりました。
海外勤務への関心
特に注目すべきは、若年層(20代〜30代)ほど海外志向が強いという点です。理由としては、
- 国際的な経験を積み、自分の可能性を広げるため
- 海外勤務経験を通しての成長とキャリア機会を広げるため
- 給与水準アップに期待
などが挙げられます。一方で、ビザの取得の難しさや生活面の現実的な課題も存在します。
大湾区(GBA)及びその他地域での就業意向
中国本土の都市(深圳・広州など)を含む大湾区での勤務については、約40%が「検討したことがある」と前向きな回答。
また、海外勤務に関心を持つ回答者の中で、希望就業地として特に人気の高かったエリアはシンガポール(39%)、中国本土(37%)、オーストラリア(37%)で、次いで日本(28%)、英国(26%)、台湾(24%)と続きました。
ただし、文化や言語の違い、生活環境への適応など、香港とは異なるチャレンジも伴います。
メリットと課題
海外・GBA勤務のメリット:
- 新しいスキルやネットワークの獲得
- キャリアの幅が広がる
- 場合によっては高待遇
課題:
- 家族や生活基盤との調整
- 場合によっては香港より給与相場が下がる
- 法制度や労働環境の違いへの適応
- 長期的なキャリア設計との整合性
まとめ
「香港の外で働く」という選択肢は、もはや特別なものではなくなりつつあります。自分の価値観とライフスタイルに合った働き方を選ぶことが、これからのキャリア形成において重要な鍵となるでしょう。
HRエキスパート:e-Job Agency Limited 高橋 正浩 さんのコメント

以前、香港の日系企業では中国大陸の出身者を積極的に採用するケースをあまり聞くことはありませんでした。
理由は中国大陸の出身者と香港人には働き方、考え方など様々な違いがあります。特にオフィスの採用ではお互いの文化の違いから、中国大陸の出身者は定着しないという声もありました。
ところが、最近では香港の日系工場や飲食業、そしてオフィスでも勤勉な中国大陸の出身者を検討する企業が増えています。
そして香港の各大学では、中国大陸の出身者が香港で就職することを希望して受験者数が増え、大学の学部によっては合格基準が高くなり、香港人にとって中国大陸の出身者との競争が激化しているようです。
さて、今回のテーマは「2025年、求職者は香港を飛び出す?大湾区・海外勤務の可能性」ですが、企業担当者と求職者それぞれの視点で考えてみましょう。
◆企業担当者の視点
現在も中国国内の失業率は依然として高いため、人材を募集すると応募してくる人材は多いようです。
ただし、日系企業の給与水準は非日系企業よりも比較的低く、優秀な人材を採用するためには日系企業の安定性、勤務環境、福利厚生などのメリットをアピールする必要があるでしょう。
◆求職者の視点
香港の日系企業の多くは、人員体制を現状維持または縮小する傾向にあり、大湾区に拠点がある企業では、香港の機能を大湾区へ移管させ、現地で活躍できる人材を募集しているため、香港在住の日本人にとって香港で転職するチャンスは少ない状況です。
日本人にとって大湾区・海外勤務の可能性ですが、香港の日系企業で勤務する場合は日本語と英語が話せれば業務上は問題なかったものの、大湾区での勤務となると、やはり北京語(普通話)が話せることが条件となります。北京語が条件となると、応募のハードルが高くなるのではないでしょうか。
しかし、最近のトレンドとしては香港で人材を採用し、大湾区に出張して日系企業を訪問する営業スタッフを募集する企業もあります。
引き続き香港に住みながら、大湾区で働くことができれば、今後のキャリアとしてよい経験となりますね。
これまでHong Kong ジョブマーケット最前線のコラムをお読みいただきありがとうございました。
今回が弊社が担当するコラムの最終回となりますが、引き続き疑問などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。


働く人のGBA志向は新しい傾向ですよね!
次回、最終回は、そんな「働く価値観」について、若手世代の声を中心に掘り下げていきます。













