1995年に設立「東亞語言文化學校」
設立の背景と学校の特徴
香港で30年間にわたり日本語教育を展開している「東亞語言文化學校」は、1995年に設立されました。「当時は日系企業が多く、企業主催の日本語研修が盛んでした」と校長の北尾ゆかりさんが振り返るように、日系企業の進出を背景に、日本語学習の需要に応える形でスタートしました。
現在、約20名の講師が在籍しており、広東語で日本語を教える香港人講師と、日本語で指導を行う日本人講師を選択できるシステムが特徴です。ゼロスタートからJLPT N1まで幅広いレベルに対応し、会話クラスや資格対策コースも提供しています。さらに、オンライン授業やプライベートレッスンも行っており、柔軟な学習環境を整えているとか。







日本語を学ぶ生徒の関心トレンド
生徒の98%が香港人で、30代~50代の社会人が趣味として日本語を学ぶケースが多いそう。「香港の方は総じて勉強熱心で、長く日本語を学ぶ方が多いですね。ルーティンワークといった感じで、毎週クラスメートと楽しく日本語でおしゃべりしながら学ぶ感覚のようです」と北尾校長は説明しています。
最近では、DSE試験に日本語能力試験が導入された影響で、青少年の学習者も増えているとか。アニメやドラマの影響も大きく、「アニメで話す日本語が自然だと思っている生徒さんも多く、当校に通い始めてリアルな日本語の理解が深まったというケースもあります」と講師の廣瀬華梨さんは語ります。
また、日本食や日本旅行が広く普及した影響で、日本への留学を希望する生徒も増えており、1~2年のプログラムを通じて日本語学校や専門学校(調理師やパティシエなど)への進学をサポート。親会社である市進教育グループ傘下の江戸カルチャーセンター日本語学校などへ、留学斡旋も行っています。
講師育成と30周年イベント
東亞語言文化學校は、日本語教師の養成にも力を入れています。15時間の短期養成講座では、指導法や教案の作成、絵カードを用いた授業法など、実践的なスキルを指導しています。次の日からでも教壇に立てるような内容が好評で、卒業生がパートタイム講師として活躍するケースも多いそうです。
2025年の創立30周年を記念し、無料イベントを開催しています。「日本語のレベルや学校内外を問わず、少しでも日本に興味を持っている香港人の皆さんに楽しんでいただけるようなイベントを考えています」と当校の広報も務める廣瀬さん。これらのイベントは、SNSやホームページで告知され、日本文化への関心を深める場となっています。昨年の日本領事館主催秋祭りイベントでは、アニメのキャラクター言葉をテーマにしたイベントが好評で、香港人講師のアイデアが光ったそうです。
日本人向けに広東語・北京語コースも
また、同校では、日本人向けに広東語・北京語の学習環境も充実しています。HSK対策も行っており、学習者のニーズに柔軟に対応。企業研修や駐在員向けのコースも充実しており、幅広い目的に合わせた学習が可能です。
まとめ
- 1995年設立、日系企業の進出に伴い開校
- 約20名の講師、広東語と日本語で指導
- JLPT N1まで対応、会話・資格コース提供
- DSE試験導入で若年層の学習者が増加
- 30周年記念イベントを開催
基本情報
