メディポートCTO 堀眞
藤田医科大学卒の臨床検査技師。日本医科大学付属病院で勤務後、青年海外協力隊としてソロモン諸島でマラリア対策に従事。帰国後は巡回健診事業の会社に就職し、香港へ赴任。1999年にメディポートを設立し、健康診断・医療相談サービスを展開。香港の医師グループと提携し、地域の健康管理に貢献している。
【第5回】はたして紫外線は悪者?
紫外線の人体に対する影響はとても大きい
厳しい日差しが容赦なく肌を焼く季節。当然のことながら降り注ぐ紫外線の量も非常に多い。感受性は個人差が大きいものの、日焼けしやすいタイプの人の場合、油断すると肌はすぐに真っ赤になってしまい、酷くなると水ぶくれができてしまうことさえもあります。
ハワイに旅行していきなり強烈な日光を浴びて背中一面がやけど状態となって帰国。成田空港から救急搬送された人もいたと聞きます。紫外線の人体に対する影響はとても大きく油断できません。特に女性が、できる限り紫外線を避けて極力日焼けしないようにして膚を守ろうと一生懸命になるのも当然です。

紫外線と人類の適応進化の関係性
確かに紫外線のエネルギーは大きく、環境問題の中でクローズアップされたオゾンホールのこともあり、昨今は紫外線をできる限り避けようとする動きが大きいようです。
さて、日焼けの原因として嫌われる紫外線ですが、本当に私たちにとって害悪しかないのでしょうか?ヒトがあらわれるずっと前からこの地上に降り注いでいた紫外線です。ヒトは長い歴史の中でその環境に順応してきたはずであり、それが肌の色の違いにも現れているのです。
もし紫外線が害にしかならないものであれば、肌の色がより黒い人の方が生き残るためにはより有利であって、この地球上には「白色人種」なる人々は存在していなかったことでしょう。つまり居住する地域の紫外線量に合わせて、適度にそれを利用できるように肌の色を調整してきたのです。
紫外線にも私たちが生きるために必要な役割がある
体を支える骨格は紫外線の働きのもと、皮膚のすぐ下で作られるビタミンDなしでは形成できません。
日焼けをできる限り避けたいと思って、あまりにも極端に紫外線対策をしてしまった結果、まだ若いのに骨粗しょう症になったり、子供がくる病を発症したりする症例が多く日本の医師を驚かせています。
紫外線にも私たちが生きるために必要な役割があります。何事もやり過ぎは良くありません。ほどほどが一番ですよ。

恐れすぎず、油断しすぎず、でいきましょう!
まとめ
- 紫外線は肌に強い影響を与える
- 日焼けは水ぶくれを伴うこともある
- 紫外線対策は個人差に応じて必要
- 肌の色は紫外線量に適応して進化
- ビタミンD生成に紫外線が不可欠
- 極端な紫外線対策は健康被害も
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